- 百瀬格/金重明(訳)
- 文春文庫
- 貰い物
義妹が無事に大学を卒業。これでようやくサポート終了! と思いきや、教員試験に向けて1年間の専攻コースに行く必要があるとか言い始めて、まだまだ俺の仕送りは続くらしい。
んで。韓国大好きな元トーメンのソウル支店長による韓国経済激励本。ちょっと面白そうなタイトルだけど、実際には中身となんの関係もなかったのが非常に半島的で逆に安心した。このタイトルは彼の地の出版社のアイデアだそうで、息を吐くようにウソをつく国民性がよく表れていて非常によろしい。中身に関しては、なんの論理も見識もない韓国好き好きエッセイでひたすら気持ち悪い。言ってることが矛盾だらけなのも彼の国らしさが感じられてよい。満点。
こんなに南鮮好きなんて、生きてるの恥ずかしくない? あ、あの半島に恥という概念はないんでしたね。
- 吉田俊雄
- 文春文庫
- 貰い物
保育園はバイク送迎に決めたので子供用ヘルメットを、と思ったら2歳児サイズが見つからない。ネットで小さそうなのを探して買ってみたら、薄い軽い。これは絶対に事故れない。
んで。太平洋戦争中の連合艦隊司令長官、というより海軍作戦指導部の硬直した体質をつまびらかにした話。古い本だけど面白かった。連合艦隊にしろ軍令部にしろ(そしてたぶん陸軍上層部にしろ)希望的観測だけで物事を進めるから、現実の状況が想定と違うとどうにもならなくなる。でも出世すればするほど責任の所在をうやむやにできるから、そうなりゃ反省なんてするわけもなく、何度でも同じことを繰り返すというね。うーん、さすが上級国民さまです。
現場は能力が高いのに上が使えないのは、今も昔も変わらぬ美しい日本の姿よなぁ。
- 橋本衛ほか
- 光人社NF文庫
- 古本
ムスッコが保育園に補欠合格。なにせ最終調整での斡旋だから、存在すら知らなかった園で微妙に遠い。でもこの機を逃すとまた待機になりそうだから決断した。問題は送迎だなぁ。
んで。硫黄島の生き残り4人による陣中記。独立工兵隊(とても短い)、兵団司令部(ちょっと短い)、師団参謀(ちょっと短い)、防空砲台(半分以上この話)のそれぞれに興味深いエピソードが大漁で満足。陣地構築とか戦闘の話もよかったんだけど、それよりも栗林中将の現場ウケがあまりよくないのが印象的だった。本科出身の参謀しか信じないとか、最後はノイローゼ状態だったとかいう話が出てきて、『散るぞ悲しき』のイメージと全然違って笑った。
俺、これから尊敬する人物を聞かれたら宮崎繁三郎中将って答えることにするよ。
- 岩崎嘉秋
- 文春文庫
- 古本
フィリピンから帰国して成田からの帰り道。疲労と発熱で朦朧としながら運転してたら、縁石に乗り上げて左サイドシルを思いっきり凹ませてしまった。俺の可愛いタントが……。
んで。元陸攻乗りで戦後は海自と民間でヘリパイやってた人の自伝。サービス精神がとても旺盛な方のようで、どのエピソードも面白かった。いや、面白すぎた。盛ってるなぁって思えちゃって興が醒めることも。戦前の話をここまで鮮明に記憶しているとしたら恐いよ。歳のせいで記憶回路が正常動作しなくなることもあるから本人に盛ってる意識はないのかもだけど、少しだけ自己顕示欲を抑えてほしかった。要所で当時の写真を載せてた点は高評価。
そういや所沢車両工場内のヘリポートの話が出てきて、嘘だと思ってググったら実在した。なぜなくした。
- 百田尚樹
- 講談社文庫
- 貰い物
長らく使ってた無駄にデカい電話機がいよいよ邪魔なので、思い切って煩悩を捨て去った電話機に変えてみたら最高や! FAXも子機も留守電も液晶画面も最初からいらんかったんや!
んで。死にたくねぇよ~と逃げ回ったけど最後は特攻で散華したお祖父ちゃんのことを調べる話。真っ先に感じたのは、滝沢聖峰の「新太平洋戦記」っぽさ。それ以外もどこかで読んだことがあるようなエピソードが続いて、そこはかとない切り貼り感。終盤はけっこう盛り上がってラストはきれいにまとまったけど、ネタの出所が気になって集中しづらいんだよ。その都度ネタ元を注釈で入れてくれてたらモヤモヤしないで済むんだけどなぁ。
たしかに面白い。面白いんだけど、何百万部も売れるほどのものかと言われると、うーん。
- 吉村昭
- 文春文庫
- 古本
フィリピン里帰りは来月に決定。バニラエアのセブ便がなくなったから今回はセブパシなのだ。チケットは高くなったけど、第3ターミナルまで行かずに済むと考えるよかった探し。
んで。久しぶりの吉村昭は丹那トンネル掘削記。世の中でトンネルと言ったら吉村昭、吉村昭と言ったらトンネル、というイメージが定着しているくらい親和性の高い題材なわけで安定感は申し分なし。主な見せ場は前半が崩落、後半が渇水。底に穴を掘ったら上の水が抜けてくるのはわけるけど、土地が干上がるなんて素敵に大規模。トンネルに落ちてきた大量の水がどこに流れたのか文章だけではイメージできなかったけど、なんかスゴいわ。
でも、正直なところ臨場感は『高熱隧道』のほうが上だったな。丹那はズリ出しが足らねぇ。
- 清水保俊
- 講談社文庫
- 古本
年も押し迫ってそれなりに忙しい時期なのに倦怠感など風邪の諸症状できつい。そういえば数日前、妻がグッタリしてた気がする。感染源はそこだな。間違いなくそこだな。殺意が。
んで。JALでFEやってた人が123便になにが起こっていたのか考えてみた話。シミュレーション小説仕立ての中にちょいちょい考察をぶち込んでくるスタイルで、新たな証拠が出てこない限りこれが決定版でいいんじゃないか、と思えるくらい矛盾がなくて気持ちよく納得した。小説パートのほうは半分過ぎ、酸素マスクかけたほうがいい、の後から実際の123便とは違う世界線に分岐しての生還エンド。これはこれで手に汗握る面白さだった。
この小説みたいに123便が生きて帰ってくる道があった可能性も……いや、ないな。
- 柳田邦男
- 新潮文庫
- 古本
微妙に貯まるけど使い道がなくて見もしないエロ動画を買い続けてたDMMポイントで「艦これ」をやってみようと思い立った。適当に選んだ初期艦の五月雨が可愛すぎて幸せな気分。
んで。事故・災害の原因究明と防止対策の在り方に死角があるからどうにかしなきゃダメなのよという話。雑誌とか新聞に寄稿した短いレポートというかエッセイというか、そういう類のものの寄せ集めだから全体的なまとまりを欠いていて読み応えが皆無なのと、どのケースでも結局は“安全対策について考える必要がある”という、なんともふんわりした具体性のない結論を繰り返すだけになっちゃってるから退屈で面白くもなんともない。
この手の廃品記事リサイクル本は面白かった例しがない。1冊にする必要なし。
- 柳田邦男
- 講談社文庫
- 古本
そろそろ義妹の帰国を考えなきゃ、とバニラエアをチェックしたらセブ便が消えてた。フィリピン出国審査用に取った捨てチケットが最終便だった様子。バニラ安かったからショックだ。
んで。国立がんセンターによるガン撲滅物語の続編の後編。お医者様たちが頑張ってガンに関する新しい知見が続々と得られたんだけど、メカ開発が電子内視鏡くらいしか出てこなかったのが残念だった。化学とか生物学の研究も結構だが、なによりも重要なのは物理に決まってるだろメカ作れ。それといつの間にかガン“制圧”という言い方が使われるようになっていたけど、個人的には“撲滅”にしてほしい。撲って滅ぼす。力こそパワー。
ここまで来たら平成以降のガン回廊も書いてほしい。ガン撲滅するまで続けるべき。
- 柳田邦男
- 講談社文庫
- 古本
たまには肝臓を労ってやろうと決心して、試しにノンアルビールを導入してみた。これがけっこう飲んだ気になるもんで焼酎量を半減させることに成功した。しばらく続けてみる。
んで。国立がんセンターによるガン撲滅物語の続編。前作では達成できなかったけど、そこから時代が進んでるので今度こそガン撲滅に成功して感動させてくれるはず。引き続き国立がんセンターが舞台なんだけど、やっぱり面白いのはアロカの超音波診断装置とか富士フイルムのCRといったメカ開発のサイドストーリーという。ターミナルケアの話も出てきたけどメカじゃないから興味ナシ。そういうの要らん。メカを制するものガンを制す。
なお、今作はタイトルにルビ振ってなかったので“炎”は“ほのお”でよさそう。