2018年04月 の日記
■2018年04月25日 [書籍の類]
絶対貧困 世界リアル貧困学講義
  • 石井光太
  • 新潮文庫
  • 古本
俺満足度:★★★★

懲りない外米トライアル、今回は西友の豪州米「うららか」。以前の西友豪州米は古米風味でイマイチだったけど、今回のはイケた。東南アジア風パサ米なのがウチではむしろ好評。

んで。途上国の都市部の貧困をルポしてみた話。スラム編、路上生活編、売春編の3部構成で、主に世界の都市部の貧困に関してのレクチャーだった。ことフィリピン農村部の貧困に関しては造詣の深い俺だけど、都市部の貧民とは縁遠いから興味深く読んだ。著者の貧民に対する目線と語り口が慈愛に満ちていて嫌味がない。世界の貧困に対する答えはそれぞれが考えればいい、というやや突き放し気味のスタンスもグッドよ。

こういうのを知るにつけ、日本に生まれた幸運を実感する。人間は下を見て安心するのだ。

■2018年04月20日 [書籍の類]
津山三十人殺し 日本犯罪史上空前の惨劇
  • 筑波昭
  • 新潮文庫
  • 古本
俺満足度:☆☆☆☆

楽天カードを作って1ヶ月、加入特典でなんだかんだ10,000ポイントくらいもらえて嬉しい。でもほとんど期間限定ポイントだから深く考えずに全部ふるさと納税で焼酎に変えよう。

んで。学業優秀だった都井睦雄クンがいろいろ拗らせて一夜のうちに村人30人を斬射殺した痛快事件の顛末。事件そのものは面白かったんだけど、空前絶後の引用地獄で読みにくいったらありゃしない。冒頭約100ページが全て報告書や新聞の引用から始まったのを皮切りに、その後も引用に継ぐ引用で全体の9割方が引用という驚きの結果に。資料をあたるのは正しい姿勢だけど、それをそのままコピペして終わりじゃダメだろ。

これが卒論だったら横着せずに自分の言葉でまとめ直しなさいって突き返されるわ。

■2018年04月12日 [書籍の類]
愛新覚羅浩の生涯 昭和の貴婦人
  • 渡辺みどり
  • 文春文庫
  • 古本
俺満足度:★★☆☆☆

人生が楽だ。月100時間も働かないから時間はたっぷりある。家族を養うのに困らない程度の収入もある。こんな生活がずっと続いてくれよと祈るだけ祈って、今日もなにもしない。

んで。ラストエンペラーの弟に嫁いだ華族のお嬢様の話。その昔、TVドラマで常盤貴子あたりが演じてたような記憶がおぼろげにあるが内容はさっぱり覚えていないので基礎知識なしのスタート。敗戦で満州から命からがら引き上げてみたり、旦那の溥傑がソ連に抑留されてみたり、長女が男と心中してみたり、となかなか波瀾万丈な人生だったけど、お世辞にも上手とは言えない構成&のっぺりした文章のせいで盛り上がりに欠けた。

本の中身は置いといて、愛新覚羅って苗字はかっこいい。認印が銀行印サイズになりそう。

■2018年04月04日 [書籍の類]
破獄
  • 吉村昭
  • 新潮文庫
  • 古本
俺満足度:★★★★

先日、楽天カードを作るにあたり、某ポイントサイトを通して申し込めば1万円もらえるって書いてあったんだ。今の今まで半信半疑だったんだけど、本当に1万円もらえて驚いてる。

んで。戦前から戦後にかけて日本各地の刑務所から脱獄すること4回という「昭和の脱獄王」をモデルにした脱獄の話。なんでそれが上手くいくんだよという独創的な手口の連続で面白かった。手錠に味噌汁かけて錆びさせたのもコイツ。ある意味で牧歌的だった当時の刑務所だから可能だったんだろうけど、とはいえこれは天才の所業。吉村昭の淡々とした文章が醸す雰囲気が刑務所の狭さ暗さを引き立ててたのもよかった。

脱獄の才能に憧れはないけれど、ここまで官憲をおちょくったら大したもんだ。見習いたい。