- 石井光太
- 新潮文庫
- 古本
懲りない外米トライアル、今回は西友の豪州米「うららか」。以前の西友豪州米は古米風味でイマイチだったけど、今回のはイケた。東南アジア風パサ米なのがウチではむしろ好評。
んで。途上国の都市部の貧困をルポしてみた話。スラム編、路上生活編、売春編の3部構成で、主に世界の都市部の貧困に関してのレクチャーだった。ことフィリピン農村部の貧困に関しては造詣の深い俺だけど、都市部の貧民とは縁遠いから興味深く読んだ。著者の貧民に対する目線と語り口が慈愛に満ちていて嫌味がない。世界の貧困に対する答えはそれぞれが考えればいい、というやや突き放し気味のスタンスもグッドよ。
こういうのを知るにつけ、日本に生まれた幸運を実感する。人間は下を見て安心するのだ。
- 筑波昭
- 新潮文庫
- 古本
楽天カードを作って1ヶ月、加入特典でなんだかんだ10,000ポイントくらいもらえて嬉しい。でもほとんど期間限定ポイントだから深く考えずに全部ふるさと納税で焼酎に変えよう。
んで。学業優秀だった都井睦雄クンがいろいろ拗らせて一夜のうちに村人30人を斬射殺した痛快事件の顛末。事件そのものは面白かったんだけど、空前絶後の引用地獄で読みにくいったらありゃしない。冒頭約100ページが全て報告書や新聞の引用から始まったのを皮切りに、その後も引用に継ぐ引用で全体の9割方が引用という驚きの結果に。資料をあたるのは正しい姿勢だけど、それをそのままコピペして終わりじゃダメだろ。
これが卒論だったら横着せずに自分の言葉でまとめ直しなさいって突き返されるわ。
- 渡辺みどり
- 文春文庫
- 古本
人生が楽だ。月100時間も働かないから時間はたっぷりある。家族を養うのに困らない程度の収入もある。こんな生活がずっと続いてくれよと祈るだけ祈って、今日もなにもしない。
んで。ラストエンペラーの弟に嫁いだ華族のお嬢様の話。その昔、TVドラマで常盤貴子あたりが演じてたような記憶がおぼろげにあるが内容はさっぱり覚えていないので基礎知識なしのスタート。敗戦で満州から命からがら引き上げてみたり、旦那の溥傑がソ連に抑留されてみたり、長女が男と心中してみたり、となかなか波瀾万丈な人生だったけど、お世辞にも上手とは言えない構成&のっぺりした文章のせいで盛り上がりに欠けた。
本の中身は置いといて、愛新覚羅って苗字はかっこいい。認印が銀行印サイズになりそう。
- 吉村昭
- 新潮文庫
- 古本
先日、楽天カードを作るにあたり、某ポイントサイトを通して申し込めば1万円もらえるって書いてあったんだ。今の今まで半信半疑だったんだけど、本当に1万円もらえて驚いてる。
んで。戦前から戦後にかけて日本各地の刑務所から脱獄すること4回という「昭和の脱獄王」をモデルにした脱獄の話。なんでそれが上手くいくんだよという独創的な手口の連続で面白かった。手錠に味噌汁かけて錆びさせたのもコイツ。ある意味で牧歌的だった当時の刑務所だから可能だったんだろうけど、とはいえこれは天才の所業。吉村昭の淡々とした文章が醸す雰囲気が刑務所の狭さ暗さを引き立ててたのもよかった。
脱獄の才能に憧れはないけれど、ここまで官憲をおちょくったら大したもんだ。見習いたい。
- 山崎豊子
- 新潮文庫
- 古本
いつも楽天ポイントに移行しているクレカのポイント。それなら最初から楽天カードを使えばいいと気がついたので申し込み&審査通過。お店で出すの恥ずかしそうなのだけが難点。
んで。一族が華麗な話は下巻に入ってここまでに蒔いた種が一気に開花、クライマックスまで怒涛の展開の連続でもう止まらなかった。期待したような金持ち没落エンドじゃなかったけど、最後まで楽しませていただいた。唯一の良心だった有能長男が猟銃自殺を華麗に決めて跡取りがいなくなり、そのせいもあって銀行がなくなる未来が待っているらしいけど、それ以外は特に問題なしなので、これはハッピーエンド。
いけ好かない金持ちが金持ちのままなのに読後感がいいんだから、さすが豊子としか言えない。
- 山崎豊子
- 新潮文庫
- 古本
所沢駅西口利用者からは縁遠い東口にオープンした「グランエミオ所沢」に行ってみたら、予想以上の充実ぶりに驚いた。西口もペデストリアンデッキ延長工事開始で所沢アツいぜ!
んで。華麗な一族の話は中巻に入っても一生懸命なのは長男だけで、その他はギスギスした華麗な生活を満喫するばかりのまったり進行でなんだよ金持ちが楽しんでるだけじゃねーか全員死ねよ。こうなると長男しか応援したいキャラがいないんだけど、いい人間は運が悪くとうのがお約束。大量注文のキャンセルを喰らったあげく追い打ちの阪神特殊鋼大爆発。長男ピンチ。この先のルート分岐は長男にかかってるわけだね。
そして残すは下巻のみ。全員が不幸になるルートだけが俺を幸せにしてくれそうだが。
- 山崎豊子
- 新潮文庫
- 古本
ムスッコと一緒にCATVでディズニー系チャンネルを毎日観てる。どれも英語版のほうが自然なんだけど、こと「チャギントン」と「サラとダックン」だけは日本語版のほうが可愛い。
んで。ハズレのラノベを2冊連続で引き当ててしまったので、流れを変えるべく山崎豊子の代表作投入を決意。上巻は、銀行のワンマンオーナーがもういい歳なのに奥さんと妾を相手に夜な夜なハッスルしつつ有能な長男に冷たく当たる話。華麗な一族がなんとも華麗なので俺のような庶民からしたら感情移入なんていう感覚とはかけ離れた世界なんだけど、これが面白い。長男以外の全員がわかりやすく腹黒くてドロドロ。
なにせ予備知識ゼロで読んでるから、この先も存分に楽しめそう。この一族どうなるの?
- 夏見正隆
- 徳間文庫
- 古本
買い換えた車の減価償却をしようとしたら、ずっと使ってる青色申告ソフトが現行税制に対応してなかったのでこちらも12年ぶりに買い換え。今までのデータを引き継げて感激した。
んで。表紙が梅組の15だったから反射的に読んでみた。今は後悔しかない。自衛隊がまるで昭和時代かのような日陰者っぷりで、時代錯誤すぎて不自然極まりない。おまけに自衛隊の組織も文化もなにもかも滅茶苦茶で、現実の自衛隊を知らず調べもせず想像だけで書いたとしか思えない。そんな脳内世界の自衛隊が繰り広げるストーリーは当然のように白けまくりで欠片も記憶に残ってない。そりゃイーグルも泣くよ。
でも、なんとこれがシリーズ物らしいという衝撃。俺は絶対に読まない。
- 安生正
- 宝島社文庫
- 古本
いよいよ平昌オリンピック開幕! メダルなんてどうでもいいから、とにかく怪我人とか病人とか死人がたくさん出てくれればそれだけでいい。南鮮の生きとし生けるものよ、死ね。
んで。裏表紙のあらすじに自衛隊の文字があったから反射的に読んでみた。未知の細菌によるパンデミックと思わせておいて実は、という当初の展開はよかった。でも自衛隊の組織や装備、生物学の基礎知識、学者の肩書、船乗りの言葉遣いなどなど、作品世界の土台を補強すべき描写に違和感、というか間違いがありすぎて没頭できない。あと、神の声が聞こえちゃうオカルト要素も意味不明でいただけない。
アイデアは面白かったのにもったいない。このミステリーはすごくない。
- 清水潔
- 新潮文庫
- 古本
予定ではもうすぐ保育園の合否が届くはず。点数を低く抑えた上で高倍率の園を単独指名したんだからちゃんと落ちてくれないと困る。妻の育児休業給付金の延長がかかってるんだ。
んで。ちょっと前に「文庫X」として話題になった本が棚に入ってた。当時の俺が気になって入手したまま放置されてたと思われる。せっかく気がついたから読んでみたら、これが凄かった。足利事件を冤罪と導いただけでは飽き足らず、類似の事件とともに真犯人の存在に迫っちゃって、これぞジャーナリズム。警察、検察、裁判所、そしてマスゴミの腐れ具合が克明に描かれてて素敵だった。
問題は真犯人なんかより司法だわ。早く冤罪の司法関係者を罪に問えるようにして。