読んダラ日記 俺の俺による俺様のためのダイアリー
■2003年11月05日 [書籍の類]
残像に口紅を
- [著] 筒井康隆
- [刊] 中公文庫
- [入手経路] 新本
- 俺満足度:★★★☆☆
筒井ブーム続行中。
んで。今回のはスゴい実験作。言葉の音が消えていく。人が感情移入しているのは言語そのものなのかそれとも言語が表しているイメージなのかを実験すべく虚構内現実で言語を消していくというメタな世界。「あ」が消えて「あ」のつく言葉は使えなくなり次に「ぱ」が消え、そして「せ」が消え……で最後は全部消える。
だんだんと使える音が少なくなっていく中で表現論を語ったり官能的な表現に挑戦したり。いろいろなことを書いているうちにも使える音は少なくなっていくから後になればなるほど大変なことに。それでも最後まで筒井だった。小難しいところもあったけどなんとかなったよ。