- 防衛弘済会
- 月刊誌
先月号で定期購読終了かと思ってたら今月号までだった。届いたその日に読み終わり。
んで。内容はいつもの通りで特筆事項なし。ちっと寂しい。自衛隊ネタだらけだから面白くないわけじゃないんだけど、エンターテイメント不足のような気がする。
ちなみに定期購読延長するの忘れてたら申し込み期限切れちゃったので一旦終了。また読みたくなったら改めて考えよう。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
今月17冊目の文庫ということで月間新記録樹立。仕事もせずに頑張った。
んで。記念すべき一冊は久しぶりの筒井長編。裏表紙の紹介文を読んだ限りでは胡散臭いSFという予感がしたんだけど、とんだ大間違い。サイコセラピストの千葉敦子は患者の夢に入り込んで精神病の治療をしちゃう夢探偵パプリカという顔も持ってんの。美人。彼女が研究所の派閥争いに巻き込まれ天才同僚が開発中の精神治療機材を奪われたりそれを悪用されたりでもう大変。そのうちに夢と現実がゴッチャになって……という真面目なSF展開でドタバタな笑いは一切ナシ。正統派な大作だった。久々に物語にのめり込んじゃった。
特に後半は夢うつつな物語。読んでるこっちも現実に読んでいるのか夢の中なのか、足下が覚束ないような不思議な感覚。ラストシーンも不思議でよかった。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
今日から再び筒井康隆。
んで。これは新作短編集で、断筆解除後の作品が全10編。昔の短編に比べると全体に大人しくなった感じを受けたけど、ハチャメチャありシニカルありでけっこう楽しめた。
筒井の“家”物が大好きな俺なので、お気に入りは「谷間の豪族」。なぜか懐かしいイメージが浮かんだ。ただ不思議感というか夢うつつ感は「遠い座敷」「家」に比べるべくもない。オチがきれいすぎ。このへんに筒井の老いを感じる。
- ニュートンプレス
- 月刊誌
今月はミリタリー系雑誌をパスしたのでこれでノルマ達成。
んで。特集は「人体をつくりあげている200種の細胞」。形と機能を一挙掲載ということでそれなりに楽しみにしてたんだけど期待ハズレ。ただ並べただけのカタログ記事だった。この雑誌は数ヶ月に1回くらい面白い特集があるんだけど、それ以外は全然ダメだなぁ。
今月号で最も興味を引かれたのは「さようならガリレオ探査機」。1ヶ月も前に墜ちてた。中学生時代、早く木星に到着しないかなぁと期待に胸ふくらませたガリレオがもう終了とは。時の経つのが早すぎでショック。またなにか大型探査機を作ってほしいけど、その可能性は低そうで残念だ。
- 小関智弘
- 小学館文庫
- 新本
筒井を読むと言ったそばから違う本を読んだ。日本の産業を支える町工場な気分だったから。
んで。産業ピラミッドの底辺に位置しているだけに景気の影響をもろに喰らう町工場。でも職人さんは腕とアイデアで乗り越える。NCとかプレーナーとか個人的に懐かしい用語がたくさん出てきて、モノを作る仕事っていいなぁと再認識。旋盤、フライス、プレーナー、鋳物、鉸(シボリ)などなど読んでいて実際にやってみたくなるような作業ばかりだった。出来れば各種溶接も取り上げてほしかったな。
町工場の旋盤工をやりつつ執筆もしている著者だけにリアル。技術的なこともしっかりと説明されていて楽しかった。
- 筒井康隆
- 角川文庫
- 古本
池波処分シリーズから解放された悦びに耐えきれなくなって夜中に思わず筒井康隆。
んで。これは短編集。ずっと前に読んだことがあったから憶えてた話もあったけど、それでも面白かった。ダウナー系とアッパー系と不思議系がバランスよく入っててレベル高い。中でも生き物が木にされちゃう「佇むひと」の世界観なんか堪らん。
このところ筒井を大量購入中。新本で買えるものは買いつつ、絶版になっちゃった文庫を探して古本屋巡り。手元の在庫が30冊近くなってるし、ここからは筒井を読む。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
とにかく早く片付けたいと願っていた下巻を一気に読み終わり。
んで。夫の仇討ちで他人に迷惑をかけ続ける主人公。だけど実は悪いのは夫のほうで、敵役は事件を穏便に済ますために罪を背負った出来た人だった。でも誤解されたまま殺された。関わった全ての人間を不幸に陥れ続けた主人公。ちゃっかり自分は大店の後添えになって幸せを手に入れた。ちなみにエンディングは「遺体は、すでに白骨化していた。」 ……なんだこれ?
これでしばらく処分シリーズはお休み。これ以上は精神力が保たない。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
今日も池波処分シリーズ。とにかく早く終わらせるのみ。
んで。新婚の夫を殺された嫁が未公認で仇討ちの旅に出た先々で周りの人間に迷惑をかける話。上巻は最初から最後まで徹頭徹尾つまらない。面白かった場面はナシ。完全試合。
もうどうでもいいよ。早く読み終わって解放されたい。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
精神力が勝負の池波処分シリーズ。本日も1冊処分に成功。
んで。新選組というか永倉新八。読めなくはなかったけど、またしても強烈なデジャヴに襲われた。全編通して前に読んだ短編と内容が変わらない気がする。展開も小ネタもほぼ同じ。ここまで同じ話を短編と長編で書く必要があるのだろうか。
文章も上手くないし、いつもながら池波は厳しいなぁ。俺の中で池波は司馬遼太郎と同じランクに入ってる。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
発狂せずに読み終わった。ホッとした。
んで。予想した通りの展開だったので惰性のみ。『編笠十兵衛』から十兵衛を引けばこの本になりそうだ。最後まで十兵衛のような超人創作キャラが出てこなかったことが救いか。
池波作品はどれもどこかで読んだことがあるような気にさせられる。これはデジャヴ? あ、コピペか。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
今月はまだ1冊も処分していなかったので池波処分シリーズ再開。気合を入れて読まないと本棚があふれる。
んで。主人公は池波お得意の大石内蔵助。上巻は内蔵助の若い頃の話で、忍者やら隠密といった超人キャラが出てこなかったから比較的読めた。これといった特筆点はナシ。
ここから先はもう展開が読めちゃうからつまらん。だって池波の忠臣蔵だもんなぁ。発狂せずに読み終えたい。
- 宮部みゆき
- 光文社文庫
- 借り物
下巻も当然くだらないぞ。光文社だし。
んで。決着を楽しみに読み進めたんだけど、とても残念な結果に終わった。物語のキーになっているはずの自称世直しチーム「ガーディアン」の行動に必然性が全然ない。動機が不明。その場その場のシーンを細切れに見れば面白いんだけど、全体を通して見ちゃうと恐ろしく陳腐な話だ。これは駄作。
宮部は当たり外れが大きいな。量産作家の宿命なのか。文章力のおかげで駄作でも比較的苦しみが少ないのには救われるが。
- 宮部みゆき
- 光文社文庫
- 借り物
今回の宮部作品は、まさに光文社という感じ。くだらないぞ。
んで。パイロキネシスでサイキックな話。快楽殺人を繰り返していたにも関わらず未成年&証拠不十分でタイーホされなかったガキどもを月に代わってお仕置きよ。とりあえず燃やした。妙なカタルシスがあった。上巻はガーディアンという秘密結社から連絡が入るまで。その結社も世直しさんチームって感じで敵ではないっぽい。謎の焼殺事件を追いかける刑事さんチームもパイロキネシスにたどり着きそうな感じだ。
凄まじくくだらないが、下巻の展開が気になる。
- 宮部みゆき
- 朝日文庫
- 借り物
宮部みゆきの代表作の中の代表作にして直木賞受賞作品を読んでみた。
んで。関係者へのインタビューを通して事件を振り返るという話。ミステリーな部分は殆どなかった気がしたが、一応ミステリーらしい。事件自体は別に面白くないけど、構成が上手くて止まらなくなった。けっこう面白かった。
ただ調子よく読んでる途中で矛盾が。エレベーターの監視カメラに映っていた人数がおかしいような。どうにも釈然としなくて何度も読み返してしまった。こういうのイヤだなぁ。
- 幻冬舎
- ムック
ちょっと気合を入れたら2冊目の雑誌を読み終わったので幸せ。
んで。今回の『わしズム』でも小林のイラク支援反対が相変わらずでウザかった。日本はアメリカに反対出来るような立場にないし、安全保障上も立ち行かない。日本独立の理想に燃えることは悪くないけど、いきなり反米というのは順番を間違えてる。
『戦争論3』の読者感想が掲載されていたのを読んで驚いた。日本人としての誇りを持てるようになったというのが多いこと。今まで誇り持ってなかったのか。個人的に『戦争論』など必要ナシと思ってたけど、こうして見ると出版する意味はあったのかも。
- 白夜書房
- 隔月誌
文庫を読みたい年頃なのに雑誌が出るのだ。さっさと片付ける。
んで。今回はアタリ記事がなかった。いつも楽しみにしている「プロジェクト×」のお題はPHS。技術的なことを読めた満足度はあったけど、どうも普段に比べて元気不足な感じ。ネタが大人しすぎた。
この内容でこの値段は高い気がする。これからも情報収集ってことで諦めるか、それとも買うのやめるか。悩みどころ。
- 福井晴敏
- 講談社文庫
- 新本
ようやく文庫化された福井晴敏の限りなくラノベに近い冒険小説を読み終わり。
んで。デビュー作に加筆したらしい今回の作品は、先に文庫化された『亡国のイージス』とほぼ同じパターン。人生に疲れたおじさんと特殊部隊出身の男の子が一緒に大冒険。予定調和だけど軍隊とか諜報とかがカコイイから楽しかった。ただ戦闘シーンは萎えまくり。アパッチでの戦闘なんか特に。確かにアパッチの主要部分は23mm弾に耐えられる設計だけど、CIWSのタングステン弾を何発も喰らったらさすがに落ちるんじゃないかなぁ。AIM-9でイージス艦のスクリューが壊れるのもどうかと。
いろいろともったいない。
- 島尾敏雄
- 新潮文庫
- 借り物
また太平洋戦争。大和に続いて水上特攻隊。
んで。予備士官の教育期間から始まり震洋訓練中の終戦で終わる。野間文芸賞、川端文学賞を取ってるということだけど、文章はそんなでもなかった。センテンスが極端に長かったり短かったりでリズムが悪い。話もラストが尻切れトンボ。あ、でも悲劇のヒーローを気取らない朴訥とした語り口はよかった。
著者のいた魚雷艇訓練所が長崎の川棚だったので驚いた。長崎には何年も住んでたが全く知らなかった。ネットで検索してみたら関連サイトがいくつかあった。やっぱりよく知られてないみたい。長崎時代に知ってれば行ったのになぁ。
- 吉田満
- 角川文庫
- 借り物
趣味のサイト作りに没頭してたら読書進まず。本を読まないとストレス溜まる。
んで。本日は太平洋戦争物。前半は「戦艦大和の最期」という淡々としつつも叙情的でポエチックな文学作品。なんと文語体。慣れてないから意味わからん。「せざるべからず」は否定の否定だから、えーと、しなきゃダメってことか、とか。「言わん方なくうまし」は、えーと、言いようもなく(゚Д゚)ウマーか、とか。いちいち翻訳が必要で疲れたよ。文語に面白いリズムがあることは否定しないけど、もう読みたくない。あと著者の自問自答がちょっと邪魔。
後半はエッセイ。上の作品を発表したら戦争賛美だって叩かれたらしく、まぁ俺には賛美しているようには思えなかったけど、その批判に対する答えと著者自身の戦争責任に関する自己分析。えらく理屈っぽいと思ったら東大法学部で学徒出陣した人だった。納得。
- 前間孝則
- 講談社+α文庫
- 新本
一気に読んじゃった。有意義な休日を過ごせた。
んで。結局YS-11は営業面での失敗が問題だったってことでいいのかな。技術陣は頑張ったようだ。戦後の航空禁止があったわりには健闘したと思うけど、YS-11の失敗で旅客機自主開発を諦める方向に進んじゃったのは残念。もう国産旅客機なんて出てこないんだろうな。せめて一度くらい国産旅客機に乗ってみたかった。空自のYSはVIPしか乗せてくれないみたいだし。
ところで、開発上の重要な点なのによくわからなかった点があった。三舵問題で出てきたスプリングタブについて、初めは鳥養氏の提案とあったはずなのに、別のところでは磯崎氏らが雑誌で見つけてきたとあり辻褄が合ってない。こういう点はしっかりしてくれなきゃ困る。あと重箱の隅を突くと文庫版あとがきでB-1を「見えない爆撃機」と書いてるけど、今の時代その謳い文句で有名なのはB-2だ。
YS-11開発のために立ち上げた日航製がC-1の設計もやったことを知って驚いた。川重は製造担当だったのか。
- 前間孝則
- 講談社+α文庫
- 新本
またもや自費購入の文庫本。本は買い始めると止まらなくなる。
んで。以前から読みたいと思っていた戦後唯一の国産旅客機に関するノンフィクション。同じく講談社+α文庫で出ている『戦艦大和誕生』以来、久しぶりに読んだ前間孝則は丁寧な取材をしてた。ただしノンフィクションライターにままあることだが、文章力はちょい不満。インタビューで聞いた発言がそのまま(としか思えない文で)活字になってるので誰の発言だか非常にわかりにくい。あと国内の出来事は昭和、海外は西暦しか書いてないから時系列を把握しにくい。たまに主語が曖昧になったり指示語がわかりにくい箇所もあった。補完できないほどじゃなかったけど。
上巻は開発開始から初飛行の直前までで、戦後の航空禁止を乗り越えつつある技術陣がアツい。基礎研究を担当した戦前戦中の大御所設計者5人のうち川重の土井武夫を除く4人がほとんど活躍しなかったのは残念だった。
- 防衛弘済会
- 月刊誌
早いところ文庫を読み進めたいから雑誌類をお片付け。『セキュリタリアン』も配達されたそばから読み終わり。
んで。特集は「自衛隊員は自衛官だけじゃない」、つまり防衛庁職員。俺もかつて技官になりたいと思ったことがあった。入間の基地採用で。でも問い合わせてみたら職種的に無理だったので断念した想い出がある。技官いいなぁ。
いつも楽しみにしてる「ウェポン・インストラクション」はお題が飛行艇だったので若干興味の対象外。迷走中の「HOP☆スコップ☆ガール!」は俺の苦手な所謂“女が描いた少年漫画”な上にダウナー路線。読んでて鬱。
そういや定期購読継続の振替用紙が挟まってた。もう1年になるのか。継続どうすしようかなぁ。6300円……。