- アルゴノート社
- 月刊誌
2ヶ月振りの『PANZER』は特集が自衛隊関連だったので購入。
んで。特集は「陸自車輌inイラク」。自衛隊はイラクになにを持っていけばいいのか、問題点はどこか、などなど。陸自の車輌を砂漠に持ってったら問題多発するような気がしないでもないけど貴重なバトルプルーフのチャンス! 最低でも96式APCくらいは持ってってほしい。機関銃は何丁までとかいう不毛な議論にならないことを祈る。
なんてことを考えてたらイラクで外交官2名射殺だって。現地邦人の安全確保は国家の務めだよなぁ。自衛隊の派遣区域は後方に限定とか言ってる場合なのかなぁ。
- 筒井康隆
- 中公文庫
- 新本
なんと10日連続で文庫を読み終わり。あんなに確保していた未読の筒井がガシガシ減っていく。金が……。
んで。そんなこんなでまたもや初期SF短編集。これまた前に読んだことがある。良作揃いだけどなんといっても「人口九千九百億」が秀逸。建築物が地球全体を覆ってて人も建物に合わせて進化しちゃってて云々というヤツ。間違いなく俺的筒井ベスト10に入る。筒井の“家”物に目がない俺にとってこの手の不思議な建物は堪らん。どこまで行っても室内っていう圧迫感が醍醐味だ。オチも大好き。
まだ筒井を読みたいんだけどそろそろ雑誌のシーズン。そんなわけで今月の文庫はこれでラストかな。11月期の文庫撃墜数は28冊。読んダラ記録を大幅に更新。生涯記録になってもおかしくないな。
- 筒井康隆
- 中公文庫
- 新本
9日連続で文庫を読み終わり中。日記を書くのも一苦労。お金も労力も計算外だ。
んで。ところどころ朧気に憶えてたので昔読んだことがあるのかも。でもストーリーは綺麗サッパリ忘れてたので問題ナシ。「最高級有機質肥料」はエッセイにもよく出てくるアレだ。大便を分解して中身を見ていたら奥さまに気が狂ったと思われたという。俺としては大便の味を事細かに説明するシーンよりも痰壺のほうがキツかったが。「火星のツァラトゥストラ」も面白かった。この話はオチを書くためだけに作ったような気がする。
初期短編は読みやすい。読みやすいので金がかかる。でも面白いから止まらない。困るんだけど面白い。いろいろ悩ましい。
- 筒井康隆
- 中公文庫
- 新本
このところ読みまくってる。読書ってコストパフォーマンスの高い趣味だと思ってたけど、意外に金かかる。
んで。筒井の初期短編集。この時代の作品は前に読んだことあるけど持ってなかったから買った。最近の筒井からは想像出来ないくらいSFしてる。ブラックだけど牧歌的。この頃の作品は落ち着くなぁ。
俺的ベストは「うるさがた」。なんでも指示するロボットとそれが邪魔でしょうがない人間の話で、ロボットが堪らなくキュート。筒井お得意のお約束ネタが冴えまくりで面白かった。こういう話は読み終わるのが惜しい。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 古本
これも状態そこそこの古本。出来れば新本で買ってあげたいんだけど絶版だからしょうがない。
んで。雑誌『噂の真相』に連載されていた筒井コラム。テレビや新聞、出版などのマスメディアから始まり文壇や政治、馬鹿な風潮など滅多斬り。読んでるこっちも気分爽快。
あの作品ではこういう事を書きたかった、というのがわかる記述があったりするので、筒井ワールドを楽しむためには必読に近いかも。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 古本
筒井康隆劇場シリーズは戯曲集。既に絶版なんだけど状態の良い古本を発見。
んで。表題作は『12人の怒れる男』のパロディ。怒れるほうでは陪審員が有罪から無罪に転じていったけど、浮かれるほうは逆に無罪を無理矢理有罪にしていく話。ブラックでよかった。「スタア」は筒井初の戯曲だとか。大勢によるドタバタはまさに筒井という感じだった。
「情報」「改札口」「将軍が目醒めた時」の3編は小説を戯曲化したものか。小説とは雰囲気が違ってそれなりに面白かった。戯曲なんて面白くないと思ってたけど、面白い戯曲は面白いのかも。
- 小関智弘(選)
- 小学館文庫
- 古本
小関智弘の名前が見えたので読んでみたら大変だった。
んで。「手仕事を見つけた」ばかりの素人さんがガテンに投稿してきた就職体験談。“この仕事に就けて毎日が充実しています”という素人作文揃いで、あくまでガテン系狙いで就職活動している人を対象にした本だった。大失敗した。
職業訓練校の一覧表などにページが割かれてて、読むページが比較的少なかったのが僅かに救い。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 古本
本日2冊目はまた筒井康隆。これは初めて読んだ。絶版だったので古本通販。送料のせいで定価より高い。
んで。怒ると意識をなくしながら大暴れするサラリーマンが会社の派閥争いとヤクザの抗争に巻き込まれる話。どこまで行っても死、死、また死。おまけに街は壊滅というドタバタ。でも暗くて笑えない。
『男たちのかいた絵』もそうだったけど、ヤクザ絡みで暴力的かつ暗い話は面白いと思えないなぁ。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
筒井康隆シリーズに再突入。
んで。暗い雰囲気の短編集。オナーニ大好き、モーホー、マゾ、虚言癖、ファザコン、二重人格などなど変人のチンピラが主人公。これがドタバタしてくれれば笑えると思うんだけど、なんだか暗くて湿度高め。かなり鬱。
高校の時に読んだ時は全然面白いと思えなかった。今回も全然面白いと思わなかった。俺には向いてないようだ。
- 浅田次郎
- 文春文庫
- 借り物
下巻を一気に読み終わり。泣かせ所満載。
んで。貧乏足軽と上司の友情物語&息子たちの友情物語という単純な構図だった。でも新選組や奥羽越列藩同盟という、字面だけで悲壮感漂わした単語が飛び交うと日本人は泣いちゃうのだ。やるな浅田。
当然フィクションだけど、吉村貫一郎は実在したらしい。ただしほとんど記録は残ってなくて、国に残した妻子のために云々という人物像は子母澤寛が『新撰組物語』で創作したものとか……二次創作ッスか。
- 浅田次郎
- 文春文庫
- 借り物
生涯2冊目の浅田次郎に挑戦。ちなみに初めて読んだのは『三人の悪党』だった。
んで。新選組後期で活躍した吉村貫一郎と、大正の世で当時の吉村を知る人達の語りを行ったり来たりしながら進む。吉村は南部藩出身の真っ直ぐな人。北辰一刀流大目録皆伝。頭脳明晰。でも超貧乏だったので脱藩して新選組で出稼ぎ中らしい。冒頭以外は全て独白形式で、その語り方がなかなかヨシ。盛岡出身の吉村の東北訛りはそれだけで悲壮感たっぷり。
守銭奴だ田舎侍だと呼ばれた吉村とはどんな人物なのか、なんでいきなり切腹なのか、雫石に残してきた家族はどうなってるのか……もう早く知りたい。先を読みたい。早く下巻を。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
ここに来てちょっと読書ペースが落ちた。読み疲れかな。
んで。昭和47~8年頃の夕刊フジに連載されてたらしい筒井エッセイ。学生時代に読んだことがある気がする。イラストはもちろん山藤章二。この人の絵は不思議な線だなと思ったら小筆なのか。なるほど。
小説の場合と同じくエッセイでも過激な事を書き放ってたけど、誇張して書いてるだけで要点は至極まとも。このへんに実は常識的な筒井の姿が見えたりする。常識を知らなきゃ過激に面白いことなど書けないのかもなぁ。
- 藤沢周平
- 新潮文庫
- 借り物
去年映画になった話題作を遅ればせながら読んでみた。映画の原作になるくらいだから長編だろうと思い込んでいたら短編集だった。どうやって映画にしたんだろ。
んで。表題作の他「うらなり与右衛門」「ど忘れ万六」「日和見与次郎」などなど似たようなタイトルが集まってたから勝手に“なんちゃら誰々シリーズ”と呼ぶことにした。展開もほとんど同じ。目立たないけど剣に覚えのある主人公。藩の派閥争いに巻き込まれて斬る。一件落着。これ。
どれも同じような話なんだけど、なんでか面白かったのはさすが藤沢周平だ。「祝い人(ほいと)助八」のラストがお気に入り。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
なんだか分厚い文庫本。筒井の長編にはあまり良い印象を持ってないのだが果たして。
んで。贈答、接待、盗聴、横領、麻薬、放火、ゲロ等々、アングラな専門家ばかりが集まった「梁山泊プロダクション」が世間の良識を自称するヒマなおばちゃんと大激闘を繰り広げるドタバタ喜劇。盛り沢山で面白かった。
ところで「俗物」ってなんだ? と思って辞書を引いたら「世間的な名誉や利益ばかりを追う人。俗人。」と載っていた。なるほど、俺は俗物だ。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
池波処分シリーズ、文春ラスト。嬉しくて本を持つ手に力が入った。
んで。討手に追われてる元侍で町医者の主人公。逃げ中。でもいい人達と巡り会ったので悟りを開いて逃げるのやめた。そんなこんなの人間模様。仇討ちや女に渡した毒薬など、大量の伏線を残したまま終わった。
これを書いた時の池波は「何となれば」が好きだったようで何度も使っていた。一度使った言葉が続けざまに出てくるあたり、やっつけ仕事であることがわかってしまう。もう少し落ち着いて書いてほしい。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
解放される日を夢見る池波処分シリーズ。残る文春あと1冊。
んで。また女が主人公。お歌さんは後家さん。仕事バリバリのキャリアウーマンだから嫁ぎ先で実家で八面六臂の大活躍。そんな彼女が剣の達人な浪人に惚れたり敵持ちの若侍を預かったりしちゃったので先が読めた。その後、予想通りの展開で仇討ち成功。主人公のお歌さんが格好よかったからハッピーエンドも喜ばしい。
斜め読みには丁度いい。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
今月の目標は文春文庫の池波を全処分。
んで。ちょっとしたことで町人を斬殺しちゃった浪人と殺されちゃった町人の一人娘の生涯って感じ。主人公2人の人生に接点がほとんどないという展開は意味がわからないが、キャラクターに多少の魅力があったのでストレスなく読めた。池波としては及第点。
これで表現力の乏しさがどうにかなってくれれば、もう少し読めると思うのだが。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
まだまだ池波処分シリーズ。そろそろ我慢の限界。
んで。また大石内蔵助が出てきていつもと同じ忠臣蔵。その他の話もコピペばかり。話もキャラも使い回しとは、ラクな仕事してるなぁ。文章力のなさもいつも通り。特に時間の流れや今昔の対比といった時間に関わる表現が異様なまでに下手で、もうなに言ってんのかわからん。さすが池波。脱帽だ。
なんでもいいから他の人の本を読みたい。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
引き続き池波処分シリーズ。早くも嫌気が差してきたが読むしかないのだ。
んで。長編忍者物に出てきた脇役が主人公になった短編集。長編の時は描かれていなかった舞台裏側やその後の話は基本的に全く面白くないが、短編だからムカつく前に話が終わる。これならなんとか我慢できる。
昨日の『剣客群像』よりは数段レベルが下がったが、池波としたら許容範囲内。
- 池波正太郎
- 文春文庫
- 手持ち
ここらで池波処分シリーズ再開。期待薄の群像シリーズを攻めてみる。
んで。まずは『剣客群像』。剣客の短編集っぽい。驚くべきことにこれが読めたのだ。そこそこ面白かったので助かった。解説によると池波がノッてた時の作品らしい。池波短編によくあるクライマックスでいきなり終了ということもなく、しっかり最後まで書いてあった。メリハリがあって娯楽時代物としてはそこそこ。
このレベルなら苦しまずに読めるのだが。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
筒井シリーズ絶好調。今回は筒井の初ミステリー。ミステリーか?
んで。真っ赤なキャデラックを乗り回し1本8500円の葉巻を惜しげもなく吸う大富豪というトンデモ刑事が主人公。事件解決のために湯水のごとくお金を使いまくる。一応ミステリーの基本的な体裁は整ってるけどそんなところはどうでもくて、見所は事件の解決方法。ホテル貸し切る。会社作る。現金ばらまく。もう好き放題。脇役もキャラの立ち方が完璧でいい具合。文章も遊びまくってて大笑い。電車の中で吹き出しそうになって困った。
でも惜しいことに4編で完結なのだ。もっと読みたい!
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
3部作ついに完結。
んで。前作ラストで死んだと思わせた七瀬だけど、なんか生きてたみたい。今回の相手はもう大変よ。だって
神 降 臨。
相手は「宇宙の意志」とか言ってる。もう超能力とかいうレベルの話じゃない。そのトンデモな相手と渡り合った七瀬はある意味最強かも知れないんだけど、全ては神の掌の中かも知れない。
謎の力の正体が「宇宙の意志」だと判明したあたりから話は内面的で観念的な方向に進むので3部作で一番動きが少ない。その代わりにスケール最大。しっかりSFだし完結編に相応しい面白さだった。ちょっと壮大すぎたけど。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
再七瀬。
んで。前作では七瀬の他に超能力者は出てこなかったんだけど、今回は超能力者インフレ。もう1人の精神感応能力者の他に未来予知能力者、念動力者、透視能力者、果ては最終兵器の時間旅行者まで登場だ。この超能力者連中が1人を除き魅力的なキャラクター揃い。特に念動力のヘンリーがいい味。
少しずつ仲間が増えていく中、超能力者を消したがる謎の組織が登場して大変なことになった。この謎の組織との戦いはSF作家の本領発揮でかなり面白い。特に時間旅行能力が絡んだあたりはとにかくSF。話に動きがあるし味方だ敵だと人間関係が比較的ハッキリしてるから前作よりも好きだな。
そしてラストは一気に超能力者デフレ。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
ここからは七瀬シリーズに突入。
んで。シリーズ1発目の『家族八景』は高校の時に読んだ気がする。その頃の俺は純粋だったから面白いって感じなかったんだけど、改めて読んでみたら面白いじゃないか。精神感応能力者(テレパス)の火田七瀬さんはその超能力を隠すためにお手伝いさんしならが流浪の日々。テレパスだからお手伝いに入った家庭の真実が思わず見えちゃう。超能力家政婦は見た。
面白いので3部作一気に行くぜ。
- 筒井康隆
- 中公文庫
- 新本
筒井ブーム続行中。
んで。今回のはスゴい実験作。言葉の音が消えていく。人が感情移入しているのは言語そのものなのかそれとも言語が表しているイメージなのかを実験すべく虚構内現実で言語を消していくというメタな世界。「あ」が消えて「あ」のつく言葉は使えなくなり次に「ぱ」が消え、そして「せ」が消え……で最後は全部消える。
だんだんと使える音が少なくなっていく中で表現論を語ったり官能的な表現に挑戦したり。いろいろなことを書いているうちにも使える音は少なくなっていくから後になればなるほど大変なことに。それでも最後まで筒井だった。小難しいところもあったけどなんとかなったよ。
- 上野正彦
- 角川文庫
- 新本
検死エッセイを読み終わり。死体は死んでいると思うのだが。
んで。第1章は5ページ前後のノンフィクション。この短さだから内容は大したことない。第2章は事実を基にした小説。事実を書いてくれたほうがマシだと思った。第3章は再びノンフィクション。これも全部短めで浅い。
途中の小説は語るに及ばないとして、ノンフィクションの各エピソードが短すぎ&内容浅すぎ。検死の結果こう判断したけど事件が解決したかは知らない、というのがデフォだから中途半端。新本で買うほどのものではなかった。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 古本
ブックオフを探索中に100円棚で発見。
んで。ヤバいくらいに面白かった。今まで読んだミステリーや推理小説がゴミに思えるくらいの面白さ。これぞまさに“筒井の推理小説”。それ以外に説明のしようがない。いろんなところで違和感を感じるんだけど、それがなんなのかハッキリと分からないままストーリーは進む。そして事件解決の瞬間……そうきたか! 生まれて初めて推理小説で感動した。ほぼ全編にわたって伏線が張り巡らされていたのに全然わからなかった。やられた。
トリックが全て明かされた後、もう一度読み返さないと気が済まないくらい面白かった。この面白さは絶対に映像化できない。
- 筒井康隆
- 文春文庫
- 古本
本日2冊目となる『わたしのグランパ』は読売文学賞受賞作。
んで。経験上、筒井のジュブナイルにはあまりよい印象がなかったんだけど、これはけっこう楽しめた。中学生の主人公 珠子の家に刑務所を出所した祖父 ゴダケンさんが帰ってきたという話。このゴダケンさんの生き様が任侠って感じで妙に格好よかった。
あまりジュブナイルという雰囲気はなく、ごく普通に読めた。
- 筒井康隆
- 文春文庫
- 新本
筒井断筆明けシリーズが絶好調。
んで。これは短編集。表題作は“エンガチョ”のことだった。エログロナンセンスでちょっと安心。実名の作家とクスリが出まくりの「猫がくるものか」、将軍様のパロディ「首長ティンブクの尊厳」あたりがお気に入り。「越天楽」から始まる七福神シリーズは一見『遠野物語』みたいなのに内容はバカ。笑った。
巻末に「附・断筆解禁宣言」なる対談が載ってた。今まで断筆はてんかん協会とのいざこざが原因だと思ってたんだけど、実際はマスコミの自主規制への抗議だったみたい。大げさに騒ぐのは当事者ではなく常にその取り巻きの人間だというのは大いに納得。