- 前間孝則
- 講談社+α文庫
- 新本
下巻を読み終わり。けっこうサクサク読んだ気がしたけど終わってみたら時間がかかってた。
んで。下巻の舞台は戦後。民間用大型エンジンを共同開発できるまでになった石播の話。RR、P&Wあたりと肩を並べたような書き方だったけど、実際の担当箇所は低圧系だけなのでイマイチ。高圧・燃焼系に挑戦しなきゃジェットエンジン開発じゃない。
上巻に比べて盛り下がっちゃったけど、でも読んでよかったとは思う。ジェットエンジン面白い。
- 前間孝則
- 講談社+α文庫
- 新本
2ヶ月くらい前に買ったまま放置してた本を読んでみた。
んで。上巻は「国産ジェット機・橘花」ということで戦時中の国産ジェットエンジンであるネ20がメイン。面白い。情報も技術も不足している中でジェットエンジンに挑戦する男たちの格好よさといったら。超アツい。
ただ細かい部分で不満あり。著者はジェットエンジン設計上がりというから詳しいんだろうけど、説明なしで「フリーピストン・ガスタービン」とか「オープンサイクル2軸再生式」と書かれてもわからない。モデル図くらい載せてほしかった。文章力も微妙。指示語が指しているべき言葉がなかったり主語がなかったりで、意味をどうにでも取れちゃう場面が頻出。このへんはどうにかしてほしい。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
ビックリするほど時間かかった。
んで。最初の舞台は宇宙船。乗組員は心を病んだ文房具。擬人化されたキチガイ文房具なんて初めて読んだ。各キャラの狂い方が凝ってて面白かった。次にどこかの星の鼬の歴史。世界史のパロディになってるっぽいんだけど全然面白くない。ここで1週間かかった。つまらなすぎて夢に出た。最後は文房具vsイタチの戦争。100人vs15億人とかそんな感じ。文房具のオーバーテクノロジーで殺戮の嵐。双方共に死、死、また死。時系列ゴチャゴチャ、視点不定、スピード感のある場面転換に引き込まれた。ただクライマックスを迎えたまさにその時、全然関係ない記述が出まくるようになって全て台無し。
余計なことして大失敗した感じ。もったいない。
- 鳴海章
- C★NOVELS
- 貰い物
体調が悪い。微熱がひかず苦しみの寝正月。ただ寝てるのもヒマなので続きを読んだ。最終巻だと思うと喜びもひとしお。
んで。天然ガスプラントを守るべく対地攻撃したら米空母部隊が来て空母対決。負けた。終わり。展開はご都合主義、戦闘シーンはゴチャゴチャで読むに耐えない。矛盾点も大量。ファントム2番機の着艦事故でパラシュート降下してきたのは、なぜか3番機の後席員。上巻で「従来の20倍」だった「SFH」という装置の動作速度が下巻では「数百倍」。アメリカ側メインキャラが乗っていたというA-6が中巻ではB型、下巻ではA型。もうボロボロ。
本職の空自パイロットに協力してもらったらしいのだが、それでこの程度か……絶句。
- 鳴海章
- C★NOVELS
- 貰い物
新年明けましておめでたいんだけど読んでる本は激しくくだらない。元日から虚しい気分。
んで。日本企業が東南アジアに建設した天然ガスプラントがテロに襲われたので空母「信濃」がレッツゴー。米軍なんて意にも介さず海賊船を撃沈したり大暴れ。とにかく無茶だ。ストーリー展開は異様に早い。途中経過もなにもなく突如として次の段階へ進む。その代わり兵器の描写にかなりの文字数が割かれているんだけど、これが悲しいほど素人丸出しのウソ知識なので読んでらんない。
まだ下巻が残ってるねぇ。困った。
- 鳴海章
- C★NOVELS
- 貰い物
大晦日だというのに鳴海章。3巻組なのでほぼ年越し決定。年末の大掃除さえなければ手にすることもなかったろうに。
んで。ひどい。原子力空母がトントン拍子で日本のものになって海自が4000人くらい乗せてすぐ動いた。4000人も抜けたら他の艦は人手不足で動かなくなるよなぁ。艦載機が空自のファントムというのも無理だ。細かい設定も無茶苦茶。アメリカに内緒で改造した妄想攻撃機「ファイティングハリアー」のノズル角制御レバーは、乗るたびに動作方向が変わる。怖い改造したもんだ。
鳴海章だからこんなもんだろうけど、それにしてもひどい。まだ中下巻が残ってると思うと鬱。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
ちょっと久しぶりの筒井は谷崎潤一郎賞受賞作品。あまり期待せずに読んでみた。
んで。多重虚構というヤツ? 虚構の中の虚構で話が進んで、さらにその中の虚構世界に入り込んで……みたいな感じに虚構の段階が刻々と変わる。サイコドラマとか深層心理とか夢がキーワードになってたりして、まさに俺の嫌いな方面の筒井。
わけわからん。
- 佐々淳行
- 文春文庫
- 古本
先日テレビで『突入せよ!あさま山荘事件』を観たら面白かったので、たまたま買ってた「あさま山荘」物を読んでみた。
んで。巻頭に載っていた当時の写真、キャプションに「左が著者」の文字。現地にいた人が書いたなら期待できそうだと思って著者名を確認したら「佐々淳行」とあった。映画の主役もサッサだったような。あ、これが原作か。
なんか連合赤軍アツい。人質取って立てこもって銃撃戦。スゴい劇場型テロ。機動隊が丸腰というのも悲壮感。内田隊長殉職の場面が俺的クライマックスだった。盛り上がってる最中にちょくちょく挟まる佐々のウザい自慢話がなければ満点に近い。
- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
やっと読み終わった。心の底からつまらなかった。
んで。最初から最後まで『さむらい劇場』のコピペが基本だった。違いは主人公がエロ漫画に目覚めちゃったところくらい。もっとも、それにしたって他で使ってるネタの流用だけどな。特定の表現が集中的に出現することなども合わせて、とにかくラクをしたかったことが見え見え。所詮は三文小説家だからしょうがないのかもしれないが、よくこんな原稿でOKしたな週刊新潮編集部。
あ、でもちょっと見方を変えれば池波作品の集大成と言えるかも。コピペ小説という意味で。
- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
やっとの思いで中巻撃墜。心底ツラいぞ。
んで。時代が変わって吉宗登場。主人公の徳山五兵衛は鷹狩りで弁当食ってる将軍を発見。もちろん即座に殴り倒した。その他諸々、要するに今回も『さむらい劇場』をコピペして無駄な文章で水増ししただけ。まともな作家のやることじゃないわな。
しかし横着もこの域まで達すれば芸と呼べるかも……呼べねぇよ。