- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
分厚い文庫3冊組。全然面白くないがスラスラ読める。ツッコミ所満載。
んで。時は元禄、将軍は綱吉公なので時代背景の説明はいつものコピペ。主人公は旗本の妾腹の子で、謎の親娘を助けた縁で謎の集団と知り合った。という展開も小ネタも『さむらい劇場』と全く同じなので基本コピペ。違いは話に関係のない無駄な文章の量だけ。接続詞が間違いだらけで日本語になってないのがツラい。
まだ中下巻が残っているけど、きっと最後まで『さむらい劇場』と同じなんだろうな。
- 藤沢周平
- 文春文庫
- 借り物
弟が買ってきたので借りてみた。そういえば最近本屋で平積みになってると思ったらNHKか。
んで。舞台はもちろん海坂藩。文四郎少年が政権争いに巻き込まれたり剣の道に走ったり淡い恋をしたり友情に燃えたりする成長期をしっとりと。やはり時代物は藤沢周平に限る。安心して読めた。
完成されすぎで書くことないよ。
- 貴志祐介
- 角川文庫
- 貰い物
これも母親がどっかで貰ってきた。春に映画化されたらしい。聞いたことないが。
んで。主人公の男子高校生が義父殺しの完全犯罪を目指す物語。まず犯罪ありきなので倒叙型というヤツか。2人殺して結局バレた。だんだんと追いつめられていく主人公には感情移入の余地あり。美少女の同級生に好かれちゃったり可愛い妹と仲良しだったりで萌え要素もある程度豊富。ただし妹とは血がつながってないので減点。
映画になるくらいだから普通に読めた。でも微妙に物足りない。なにかが足りない。
- 奥田英朗
- 講談社文庫
- 貰い物
母親がどっかで貰ってきた本。捨てるというから読んでみた。650ページもあって文庫カバーに入らないし読みにくいので読む前からいきなり減点。
んで。零細町工場の社長、銀行勤めのOL、無職のチンピラによる群像劇。最終的に1つの事件に集約した。しかし事件に至るまでが長い。いつになっても事件が起こらないから心配になった。キャラがウダウダしすぎで爽快感とか興奮とは無縁のダウナー系、最後も不幸中のハッピーエンド。どうもハッキリしない。
細かい設定や描写がリアルな点は評価できるけど、この人の他の作品を読んでみようとは思わない。
- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
やっと終わった。
んで。後編の半ば以降、クライマックス付近だけは読めた。前編での散らかりっぷりを考えれば最後はよくまとめたと思う。未消化な伏線が多いのは池波のデフォだからしょうがないか。
池波はどれを読んでもキャラ設定と小ネタが使い回しだからツラい。そして全てにおいて冗漫すぎる。一言で書けることでも必ず無駄な台詞を散りばめたり関係ない文章を挟んだりするから内容がどんどん薄まっちゃう。読み捨て作家というイメージはそのせいだろうな。
- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
今月最初の文庫は池波処分シリーズ。読む前からストレスに悩まされつつ。
んで。比較的有名な作品ということで淡い淡い期待を抱いてたんだけど完璧なまでに裏切られてるところ。たまたま見かける、偶然出会う、といった強運を軸にした超ご都合主義な展開なのでバカらしい。不必要な記述が多すぎる。そもそも文章力がない。ツラい。
後編が残ってるんだけど、どう考えても期待したら負けだなぁ。
- 筒井康隆
- 中公文庫
- 新本
なんと10日連続で文庫を読み終わり。あんなに確保していた未読の筒井がガシガシ減っていく。金が……。
んで。そんなこんなでまたもや初期SF短編集。これまた前に読んだことがある。良作揃いだけどなんといっても「人口九千九百億」が秀逸。建築物が地球全体を覆ってて人も建物に合わせて進化しちゃってて云々というヤツ。間違いなく俺的筒井ベスト10に入る。筒井の“家”物に目がない俺にとってこの手の不思議な建物は堪らん。どこまで行っても室内っていう圧迫感が醍醐味だ。オチも大好き。
まだ筒井を読みたいんだけどそろそろ雑誌のシーズン。そんなわけで今月の文庫はこれでラストかな。11月期の文庫撃墜数は28冊。読んダラ記録を大幅に更新。生涯記録になってもおかしくないな。
- 筒井康隆
- 中公文庫
- 新本
9日連続で文庫を読み終わり中。日記を書くのも一苦労。お金も労力も計算外だ。
んで。ところどころ朧気に憶えてたので昔読んだことがあるのかも。でもストーリーは綺麗サッパリ忘れてたので問題ナシ。「最高級有機質肥料」はエッセイにもよく出てくるアレだ。大便を分解して中身を見ていたら奥さまに気が狂ったと思われたという。俺としては大便の味を事細かに説明するシーンよりも痰壺のほうがキツかったが。「火星のツァラトゥストラ」も面白かった。この話はオチを書くためだけに作ったような気がする。
初期短編は読みやすい。読みやすいので金がかかる。でも面白いから止まらない。困るんだけど面白い。いろいろ悩ましい。
- 筒井康隆
- 中公文庫
- 新本
このところ読みまくってる。読書ってコストパフォーマンスの高い趣味だと思ってたけど、意外に金かかる。
んで。筒井の初期短編集。この時代の作品は前に読んだことあるけど持ってなかったから買った。最近の筒井からは想像出来ないくらいSFしてる。ブラックだけど牧歌的。この頃の作品は落ち着くなぁ。
俺的ベストは「うるさがた」。なんでも指示するロボットとそれが邪魔でしょうがない人間の話で、ロボットが堪らなくキュート。筒井お得意のお約束ネタが冴えまくりで面白かった。こういう話は読み終わるのが惜しい。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 古本
これも状態そこそこの古本。出来れば新本で買ってあげたいんだけど絶版だからしょうがない。
んで。雑誌『噂の真相』に連載されていた筒井コラム。テレビや新聞、出版などのマスメディアから始まり文壇や政治、馬鹿な風潮など滅多斬り。読んでるこっちも気分爽快。
あの作品ではこういう事を書きたかった、というのがわかる記述があったりするので、筒井ワールドを楽しむためには必読に近いかも。