
- 白夜書房
- 隔月誌
文庫を読みたい年頃なのに雑誌が出るのだ。さっさと片付ける。
んで。今回はアタリ記事がなかった。いつも楽しみにしている「プロジェクト×」のお題はPHS。技術的なことを読めた満足度はあったけど、どうも普段に比べて元気不足な感じ。ネタが大人しすぎた。
この内容でこの値段は高い気がする。これからも情報収集ってことで諦めるか、それとも買うのやめるか。悩みどころ。
- 福井晴敏
- 講談社文庫
- 新本
ようやく文庫化された福井晴敏の限りなくラノベに近い冒険小説を読み終わり。
んで。デビュー作に加筆したらしい今回の作品は、先に文庫化された『亡国のイージス』とほぼ同じパターン。人生に疲れたおじさんと特殊部隊出身の男の子が一緒に大冒険。予定調和だけど軍隊とか諜報とかがカコイイから楽しかった。ただ戦闘シーンは萎えまくり。アパッチでの戦闘なんか特に。確かにアパッチの主要部分は23mm弾に耐えられる設計だけど、CIWSのタングステン弾を何発も喰らったらさすがに落ちるんじゃないかなぁ。AIM-9でイージス艦のスクリューが壊れるのもどうかと。
いろいろともったいない。
- 島尾敏雄
- 新潮文庫
- 借り物
また太平洋戦争。大和に続いて水上特攻隊。
んで。予備士官の教育期間から始まり震洋訓練中の終戦で終わる。野間文芸賞、川端文学賞を取ってるということだけど、文章はそんなでもなかった。センテンスが極端に長かったり短かったりでリズムが悪い。話もラストが尻切れトンボ。あ、でも悲劇のヒーローを気取らない朴訥とした語り口はよかった。
著者のいた魚雷艇訓練所が長崎の川棚だったので驚いた。長崎には何年も住んでたが全く知らなかった。ネットで検索してみたら関連サイトがいくつかあった。やっぱりよく知られてないみたい。長崎時代に知ってれば行ったのになぁ。
- 吉田満
- 角川文庫
- 借り物
趣味のサイト作りに没頭してたら読書進まず。本を読まないとストレス溜まる。
んで。本日は太平洋戦争物。前半は「戦艦大和の最期」という淡々としつつも叙情的でポエチックな文学作品。なんと文語体。慣れてないから意味わからん。「せざるべからず」は否定の否定だから、えーと、しなきゃダメってことか、とか。「言わん方なくうまし」は、えーと、言いようもなく(゚Д゚)ウマーか、とか。いちいち翻訳が必要で疲れたよ。文語に面白いリズムがあることは否定しないけど、もう読みたくない。あと著者の自問自答がちょっと邪魔。
後半はエッセイ。上の作品を発表したら戦争賛美だって叩かれたらしく、まぁ俺には賛美しているようには思えなかったけど、その批判に対する答えと著者自身の戦争責任に関する自己分析。えらく理屈っぽいと思ったら東大法学部で学徒出陣した人だった。納得。
- 前間孝則
- 講談社+α文庫
- 新本
一気に読んじゃった。有意義な休日を過ごせた。
んで。結局YS-11は営業面での失敗が問題だったってことでいいのかな。技術陣は頑張ったようだ。戦後の航空禁止があったわりには健闘したと思うけど、YS-11の失敗で旅客機自主開発を諦める方向に進んじゃったのは残念。もう国産旅客機なんて出てこないんだろうな。せめて一度くらい国産旅客機に乗ってみたかった。空自のYSはVIPしか乗せてくれないみたいだし。
ところで、開発上の重要な点なのによくわからなかった点があった。三舵問題で出てきたスプリングタブについて、初めは鳥養氏の提案とあったはずなのに、別のところでは磯崎氏らが雑誌で見つけてきたとあり辻褄が合ってない。こういう点はしっかりしてくれなきゃ困る。あと重箱の隅を突くと文庫版あとがきでB-1を「見えない爆撃機」と書いてるけど、今の時代その謳い文句で有名なのはB-2だ。
YS-11開発のために立ち上げた日航製がC-1の設計もやったことを知って驚いた。川重は製造担当だったのか。
- 前間孝則
- 講談社+α文庫
- 新本
またもや自費購入の文庫本。本は買い始めると止まらなくなる。
んで。以前から読みたいと思っていた戦後唯一の国産旅客機に関するノンフィクション。同じく講談社+α文庫で出ている『戦艦大和誕生』以来、久しぶりに読んだ前間孝則は丁寧な取材をしてた。ただしノンフィクションライターにままあることだが、文章力はちょい不満。インタビューで聞いた発言がそのまま(としか思えない文で)活字になってるので誰の発言だか非常にわかりにくい。あと国内の出来事は昭和、海外は西暦しか書いてないから時系列を把握しにくい。たまに主語が曖昧になったり指示語がわかりにくい箇所もあった。補完できないほどじゃなかったけど。
上巻は開発開始から初飛行の直前までで、戦後の航空禁止を乗り越えつつある技術陣がアツい。基礎研究を担当した戦前戦中の大御所設計者5人のうち川重の土井武夫を除く4人がほとんど活躍しなかったのは残念だった。

- 防衛弘済会
- 月刊誌
早いところ文庫を読み進めたいから雑誌類をお片付け。『セキュリタリアン』も配達されたそばから読み終わり。
んで。特集は「自衛隊員は自衛官だけじゃない」、つまり防衛庁職員。俺もかつて技官になりたいと思ったことがあった。入間の基地採用で。でも問い合わせてみたら職種的に無理だったので断念した想い出がある。技官いいなぁ。
いつも楽しみにしてる「ウェポン・インストラクション」はお題が飛行艇だったので若干興味の対象外。迷走中の「HOP☆スコップ☆ガール!」は俺の苦手な所謂“女が描いた少年漫画”な上にダウナー路線。読んでて鬱。
そういや定期購読継続の振替用紙が挟まってた。もう1年になるのか。継続どうすしようかなぁ。6300円……。

- ニュートンプレス
- 月刊誌
読んダラ唯一のサイエンス系雑誌である『ニュートン』をガンガって読み終わり。
んで。特集は「恐竜ジオグラフィック」。世界恐竜マップ&全103種データということだったが、ただ並べただけのカタログ記事で読むとこ少ない。編集部がラクをした感じ。
「深海知能ロボットr2D4」とか「コロンビア号事故の真相」のあたりもネタのわりに今ひとつだった。わずかに「水がゴミを資源にかえる」の亜臨界水が興味深かった。それと相変わらず竹内均の記事が激しくつまらない点は特筆に値……しないな。思い出したくもない。

- アルゴノート社
- 月刊誌
今月の雑誌は今月のうちに。航空雑誌を買わなかったら自ずとノルマが減った。
んで。特集は「AFV比較論 高機動車とハマー野戦車」。自衛隊装備なので読む。ハマーは車種統一を実現したからスゴいらしい。対して高機動車はなんのための汎用車だかわからないらしい。でも高機動車は格好いいから俺的には全く問題なし。確かに高機動車があるんだからパジェロは要らないような気はするけど、公道じゃパジェロのほうが走りやすいだろうし、高機動車に統合したら三菱自動車が困っちゃうし。世の中いろいろあるさ。
特集以外の記事に面白いのがないのはいつも通り。読めるページ少ねぇー。
- 吉岡忍
- 新潮文庫
- 新本
久しぶりに自分で買った文庫は大好きなJAL123便だ(不謹慎)。乗員、乗客、家族、日航社員、警察、自衛隊……みんなが極限に近い状態でがんばる状況が堪らん。
んで。副題が「日航123便事故全記録」だけに、判明している事実のみが淡々と続く。なかなかの迫力。さすが講談社ノンフィクション賞受賞作だ。そんな賞、聞いたこともないが。人間ドラマも読めたけど、個人的にはハイドロ全滅後の機体をどう操作してどう動いて墜ちた、というのがわかりやすく説明されていた点を高く評価。でも圧力隔壁の修理については図がないもんだから全然わからん。惜しい。
もう18年前の事故だが、俺の中ではまだまだ風化してないぜ?






