- 米原万里
- 角川文庫
- 古本
肝臓のためにDHCのオルニチンを買おうと決めたんだけどまだ注文してなくて早くしなきゃなー。注文さえすれば肝臓がメキメキ良くなる予感がするんだ。だから今日も飲んでOK!
んで。1960年代に共産党のお偉いさんだった父親の転勤でプラハのソビエト学校に通った思い出話。第33回大宅賞受賞作。さすがソビエト学校、各国のアカいエリート家庭の子弟が集まってて同級生のキャラがスゴい。その中でも際立ってぶっ飛んでたのがアーニャだったってわけ。さらに時は流れて30年後、激動の東欧を訪れてアーニャと再会を果たしたらいろいろショッキングだった。フィクションかと疑いたくなるくらい面白い。
鉄のカーテンの向こう側の人々が興味深すぎて、これは文句なしの満点。久しぶりにいいもの読ませてもらった。
- 高山文彦
- 角川文庫
- 古本
オルニチンが肝臓に効くらしい、という話を小耳に挟んだ。協和発酵バイオが評判いいけど、高いから日和ってDHCの安物を買ってみよう。これで肝臓復活の予感がするから飲んでOK!
んで。二・二六事件と同時にデビューした謎だらけの天才作家・北条民雄の生涯の話。第31回大宅賞受賞作。誰しも真っ先に思い浮かぶ言葉はこれでしょう。それ誰? そう、その正体はハンセン病に苦しみながらも文学に生きた青年だった、と言われても誰よ? かの川端康成に見いだされながらも文壇デビューから2年後に夭逝した北条民雄。って、だから誰? 残した作品も私小説みたいだし、一言どうでもいい。
最後まで北条民雄が誰だかわからないという不思議な話だった。結局こいつ誰よ?
- 野村進
- 講談社+α文庫
- 古本
某クイズ番組で2年ぶりのスマホ大会開催が決まったとのことで、ぼちぼち準備開始。地区大会の敗者復活戦もスマホを使ってやるとかで、そっちの仕様も考えなきゃなぁ。
んで。他国で暮らす下朝鮮人が日本で世界でなにを考えてどう生きているかを追った話。第28回大宅賞受賞作。国内では在日芸能人とか焼き肉屋、パチンコ屋など、海外ではロサンゼルスの朝鮮街やベトナム、さらに下朝鮮国内まで取材しててボリューミー。著者が冷静に現実を書けば書くほど、結果として世界中で嫌われる理由ばかりが見えてきて微笑ましい。そして気持ち悪い。
勝手に他国に住み着いて嫌われるようなことしてシャベツシャベツ言うんだから、ホントどえらいミンジョクだよ。
- 後藤正治
- 文春文庫
- 古本
なんでか理由はわからないけど、お酒を飲むと頭がスッキリする。肝臓はグッタリしてるんだろうけど、飲んだ途端に疲れと怠さが吹き飛んで意識シャッキリするからやめられないぜ。
んで。西宮西高校っていう定時制高校のボクシング部の話。第26回大宅賞受賞作。落ちこぼれ生徒たちがボクシングに打ち込んだり打ち込まなかったりする青春群像で、淡々としてるけど熱かった。西宮というお土地柄か、キーマンである顧問が同和やら在日朝鮮人関連の活動に熱心な日教組だったり、登場する生徒にもそっち出身者が多い点は気持ち悪かったけど、それ以外は気持ちよく読める良作。
ちょっと定時制高校に憧れた。金と時間に余裕があったら通ってみたい。
- 塚本哲也
- 文春文庫
- 古本
フィリピンから帰ってきた。今までなら実家滞在の後は毎年のように入院だの通院だのしてたけど、あれは実家の環境のせいだったことが判明した。新築の別宅は至極快適だったよ。
んで。オーストリア=ハンガリー帝国最後のお姫様の話、下巻はオーストリア近代史。ナチスドイツが侵攻してきたり敗走したりスターリン率いるソ連が進駐してきたりして20世紀のオーストリアは大忙し。お姫様はナチス相手のレジスタンスに参加したりしてたけど見せ場らしい見せ場はなく、下巻に関してはエリザベートの存在にあまり意味はなかったなぁ。
歴史の勉強になったけど、関係も興味もないから一瞬で忘れる自信がある。
- 塚本哲也
- 文春文庫
- 古本
いよいよ明日、フィリピン里帰りに出発! 今までは実家に滞在するたび、あまりの環境の悪さに身体を蝕まれて入院したりしてたけど、今年は新築の別宅があるのだ。頼むぞ俺の別宅!
んで。オーストリア=ハンガリー帝国最後のお姫様の話。第24回大宅賞受賞作。父親が心中したり祖母が暗殺されたり身分違いの結婚をしたり離婚したりしてるうちにハプスブルグ帝国は崩壊。第一次大戦、ヒトラーによるオーストリア併合と激動の時代でどうなるのかと思ったらお姫様のくせにアカに染まったりと非常に多忙。最後の皇女にふさわしいはっちゃけぶりは割とよいと思う。
それにしてもヨーロッパの歴史ってごちゃごちゃしてて酷いもんだな。
- 井田真木子
- 文春文庫
- 古本
なんかガラケー生産中止とか報道されてるんだけど。ガラホでSPモードとか使いたくないんだけど。仕事でも困るんだけど。i-mode終了まで手持ちのガラケーを大切に使うしかないのか。
んで。女子プロレスラー達の目を通して見た女子プロレスの光と影みたいな話。第22回大宅賞受賞作。語ったのは神取忍(男)、天田麗文(中国人)、デブラ“メデューサ”ミセリー(米国人)、長与千種(クラッシュ)あたり。ぶっちゃけ神取(男)と長与千種(ギャルズ)以外は名前すら聞いたことなかったし女子プロレスにこれっぽっちの興味もなかったけど、なんか面白かった。
女子プロレスなんていうくだらんもんが熱かった80年代の古き良き空気が不思議な感じでよかったよ。全く興味は湧かないけど。
- 猪瀬直樹
- 新潮文庫
- 借り物
今年の里帰りは来月中旬に決定。新築した別宅がどんな感じなのか楽しみだ。不安なのは仕事(=ネット回線)のことだけど、もうチケット買っちまったから後戻りは出来ないんだぜ。
んで。5,000万円借用書手作りオジサンの書いた本の下巻は職場で拾ってきた。第3部で明治天皇の御真影についてふらふらと書いた後、終わり。構成も内容も行き当たりばったりで腰が定まらないなぁと思いながら読んでたけど、最後まで“天皇”という単語以上の共通点は現れず、とかく散漫な印象しか残らなかった。短編集じゃないんだから、もう少し一貫したテーマを設定してよ。
この人は、ものを書いてるより、入る入る言いながらカバンに5,000万押し込んでチャック閉まらないほうが似合ってると思う。
- 猪瀬直樹
- 新潮文庫
- 古本
バイトしてる妻の派遣先が少し近場の工場へと変更になったおかげで起床時間がゆっくりになった。それに伴い俺の起床時間も遅くなったので、朝のまどろみをより長く楽しめるってもんよ。
んで。5,000万円そのまま押し込みオジサンがずっと前に書いた本。第18回大宅賞受賞作。宮家解体のどさくさに紛れて土地を買い漁ってプリンスホテルを建てた堤康二郎&西武グループに関する第1部と、イギリスで作られたドタバタ風刺コメディーオペレッタ「ミカド」についての第2部で、以降下巻に続く。西武とオペレッタがどう繋がるのか全く見えてこない。おまけに文章けっこう下手。
ここまで読んだ限りでは駄作の匂いがプンプン。下巻で巻き返してくれるのを期待するしかない状態だなぁ。
- 吉永みち子
- 集英社文庫
- 古本
フィリピン大使館で更新申請した妻の新パスポートが2ヶ月かかってようやく届いた。この遅さは、さすが後進国フィリピン。日本なら在外公館でのパスポート更新だってせいぜい1週間よ。
んで。せっかく東京外語大を出たのに競馬ファンが高じて気がついたら(?)騎手の女房になってた人の話。第16回大宅賞受賞作。ほんの少し普通じゃない体験を綴ったエッセイという面から言えばスゴく面白いってわけじゃないんだけど、嫌味のないさっぱりした語り口でストレスなく読めた。でも、あらあら幸せそうでなによりだねーと思って検索したら離婚してるじゃん。なんだそれ。
ところで、競馬にさほど興味のない俺はいつも吉永(VSOPの人)と福永(悲劇の人)がゴッチャになる。興味ないからどっちでもいいけど。