- 稲垣武
- 光人社NF文庫
- 古本
絶望した! 3次元の世の中に絶望した! どうすれば2次元世界の住人になれるのか、教えてエロい人。
んで。旧軍には珍しく理詰めで作戦を考えてた沖縄守備軍(第三十二軍)高級参謀の人の話。どう考えても最も合理的な長期持久戦術を訴えるも、精神主義マンセーな旧軍の雰囲気とか当人の協調性がゼロだったことから受け入れられず、結局バンザイ突撃して沖縄オワタ。作戦立案とか意志決定がダメダメなのは日本人の悪い癖よな。下士官兵のレベルは世界最強クラスだったというのに。
けっこう面白かったにも関わらず読み終えるのに時間がかかったのは通勤がなくなったから。今年も冊数は伸びそうにないぜ。
- 下田四郎
- 光人社NF文庫
- 古本
休みに入ってからというもの平穏無事に喰っちゃ寝飲んじゃ寝な毎日。これぞ最高の春休みだぜ。社会人としては終わっているがなー。
んで。戦車第九連隊は米軍に夜襲を仕掛けた結果、返り討ちにあって一瞬で壊滅しちゃったので実はあんまりサイパン戦車戦な話じゃなかったんだけど、そこに至るまでの帝国陸軍における戦車部隊の成り立ちとか運用思想のくだりが面白かったのでヨシとする。そしてなにより、リアルやわらか戦車チハタンのカワイさが異常。∩( ・ω・)∩チハタンばんじゃーい。
この著者、靖国神社の遊就館にあるチハタンをサイパンから持って帰ってきた人みたい。愛だねぇ。
- 伊藤桂一
- 光人社NF文庫
- 古本
今回の派遣契約も無事終了して、世の中よりも若干早めの春休み突入。例によって次の仕事の話は全く出ていないので、今回こそ長期休暇の予感。長期休暇になってもらいたい。このまま夏まで休んじゃっても罰は当たらない気がするよ。
んで。直木賞作家っぽい人が書いた実話ベースの短編集っぽいなにか。読み切りもあれば続き物もあり、果てはエッセイまで混ざってるというテキトーな編成で、これといって印象に残るような話はなかったけど書いたのがプロの作家だけあって素人体験談的戦記作文なんかとは比べ物にならない安定感。このへんは腐っても直木賞。
って、直木賞はそもそも腐ってるわけだが。
- 井坂源嗣
- 光人社NF文庫
- 古本
予定外のインフルエンザのおかげで溜まってしまった大量のお仕事もどうにかリカバーに成功。気がつけば今期契約の稼働時間も残すところあと僅か。寝込んでなかったら今ごろ春休みを満喫中だったんじゃないか? うう恨めしい。
んで。主にビルマ方面で撤退し続けた陸軍兵長の回顧録。撤退の捨て石だけあって、ただもうひたすら逃げただけ。戦ってないので1対15もなにもあったもんじゃない。素人戦記物としては、まぁこんなもんかっていうレベル。よくあるパターンで、自分を格好よく書きすぎてる嫌いあり。たかが兵長がそんなにリーダーシップ取るか?
妙な自己顕示欲があるからこそ体験談を本にしようなんて考えるんだろうけど、なんかみっともない。記憶も都合いいようにすり替わっちゃってるだろうしなー。
- 尾川正二
- 光人社NF文庫
- 古本
今年の風邪はキツいなぁと思っていたら実はインフルだったというオチ。連日40度オーバーの高熱が1週間、そりゃ一部記憶も飛んじゃうさ。特効薬リレンザのおかげで辛うじて生還したが、ガキや年寄りが死ぬのも納得できる。罹るな危険。
んで。ニューギニア帰りの五流大教授が書いた本。言い回しがいちいち(下手な)文学的でイライライライラ。著者あとがきによると、戦記ではなく極限状況下での人間の素描を試みたらしい。いかにも純文学くずれがやりそうなことよな。もうね、所詮は素人作文なんだから格好つけずに事実だけ書いてくれればいいのよ。無駄に観念的で抽象的で詩的な心理描写なんて要らんのよ。マジ読んでらんない。
でも、こんなもんが第1回大宅賞の受賞作という恐ろしい事実。審査したヤツちょっと来い。
- 間嶋満
- 光人社NF文庫
- 古本
どうも風邪をひいてしまった頭痛い腹痛い。でも終電。さらに自宅で作業続行。ううう。派遣契約の人間に無茶させやがる。
んで。ラエまで行って戦うことなく転進した話。密林の中を逃げ山を越えて逃げとにかく逃げた。というだけなんだけど、美文調というかなんというか、どう見ても要らない記述や言い回しを変えただけの繰り返しで文字数を稼いで長編にしたような一冊。著者は気持ちよく書いたんだろうけど、読んでるこっちは虚無感ばかり。
すっきりまとめちゃったら30ページも要らないんじゃないか、これ。
- 石井正紀
- 光人社NF文庫
- 古本
今週も忙しいんだぜ。ZigBeeとかいう規格を使って人の動きを検知して再生コンテンツを動的に決定、みたいなことをする実証実験なんだけどね。よく把握しないまま手伝ってるの。大丈夫か俺。
んで。石油会社から陸軍に出向した嘱託の技術者たちがパレンバンあたりの精油所で超がんばった話。あまり期待せずに読んでみたら、あにはからんや光人社NF文庫には珍しい良作だったのだ。スマトラのジャングルと連合軍の攻撃と日本軍の無茶振りに悩まされながらも、魂で精油所を動かし続ける嘱託職員。これぞニッポンの民間技術者なり!
高い技術力と不屈のプロ根性。民間技術者かこよすぎだ。
- 森岡諦善
- 光人社NF文庫
- 古本
今週の目玉作業だったCGIとJavaScriptをなんとか仕上げて週末突入。急げばけっこう間に合うもんだ。でも突貫手抜き工事だから動作保証はいたしません。
んで。まだ続くんだ海軍物。今回は徴用されて佐世保工廠の製図係になった浄土宗のお坊さんの体験記。戦闘部隊の戦記物もいいけど、工廠も技術者集団って感じでかっこいいね。やってる仕事も楽しそうだったよ。採寸して線引いたり、便宜を図った見返りに艦の人からいろいろもらったり。これはいい職場。
理路整然とした文章で読みやすかったのは、さすがお坊さんだ。よく知らんけど。少なくともどこかの工作兵とは大違い。
- 木村勢舟
- 光人社NF文庫
- 古本
通勤再開から作業が途切れることなく押し寄せてきて大変。作業そのものは楽しいのが多いからストレスは溜まらないけど、忙しすぎる。もう少し早めに呼んでくれればいいのに。
んで。まだまだ続く海軍物。今回のは工作兵ってことで読んでみたんだけど、主に上官への文句と自惚れと自慢話で構成されていて、工作兵の仕事についてはなにも書いてないんだぜ。大正生まれの老人が平成の時代になってから書いたもんだから信憑性もなにもなさそうだし、全てにおいて酷い出来。これだから年寄りは。
新兵時代の班長への怨みは特別すごいものがあって、その点だけはちょっと笑えた。写真まで載せて名指しだもん。苦笑するしかない。
- 高橋孟
- 新潮文庫
- 古本
今年の仕事始めはいきなりの休日出勤だった。おまけに帰りは終電。さらに帰宅後も作業続行。始動即全開はエンジンによくないんだぜ。
んで。引き続き海軍物。徴兵されて主計兵になった著者の思い出話。起きたらビンタ、寝てもビンタ、なにしてもビンタ、という異常なまでに脳みそ筋肉体育会系のコックさん達の悲哀を面白おかしく書いてたけど、どう考えてもこんな職場イヤすぎる。海軍怖ぇー。頭悪ぃー。
妙に味のあるイラストを描く人だなぁ、と思ったらプロの絵描きさんだったのね。納得。