- アルゴノート社
- 月刊誌
厳選して購読中のミリタリー雑誌。今月は航空系をパスしたので戦車だけ。
んで。特集は「マルダーvsAMX10P」。戦闘兵車大好きだから楽しめそうに思えたんだけど、これがとんだ大間違い。薄い。対決させなくていいからちゃんと解説してほしい。今月号で読めたのは「ピラーニャ8x8シリーズ」くらいかな。あと「陸自新戦車開発について」という読者投稿記事が印象的だった。
それにしても誤植多いな。新しい情報なんか載ってないんだし、校正する時間はいくらでもありそうなもんだが。
- 筒井康隆
- 角川文庫
- 古本
筒井の角川SFジュブナイルは読むのラク。
んで。中途半端な『緑魔の町』と違ってわかりやすいパロディだった。出色は「三丁目が戦争です」。「150ページからよまなかったことにしてください」なんていうメタなネタはあるしダイナマイトで全員爆死だし。だいたい住宅地vs団地の戦争という時点で童話じゃない。いつもの筒井をひらがなにしただけじゃん。
「そうだ。こうしましょう!」「うん、そうだ。そうしよう!」「まだ、なにも、いってません」がツボ。児童向けっぽい文体でやられるとますますシュールで堪らん。
- 筒井康隆
- 角川文庫
- 古本
筒井のSFジュブナイルなシリーズを攻めてみる。読むのラク。
んで。アンタレス星人(緑色)の侵略に気がついた武夫君が怖がりながら頑張る長編。ストーリーも文体も挿絵もそれっぽくて、一見すると普通の少年少女向けに思える。
でも話が進むにつれて違和感が。なにかと「気ちがい」を連呼するし、地球侵略中のアンタレス星人(緑色)は「カポーレ!カポーレ!アマチャレ、カポーレ!」とか言ってるし。やっぱり筒井は筒井だったので安心した。
- 吉田戦車
- 講談社
- 新本
名作『吉田自転車』の続編がキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
んで。吉田戦車が電車に乗って東へ西へ。そして巻き起こす大爆笑の数々。なんの変哲もないものでも吉田戦車にかかると爆笑アイテムになってしまう。このセンスは神レベル。
文章やイラストが面白いのは当然として、写真やキャプションなどの細かい部分でも大いに笑わせてもらった。第3弾熱烈キボンヌ。
- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
いつまでも楽しんでばかりではいられないので池波処分シリーズ再開。
んで。ラッキーなことに読める短編集だった。文章力のなさはいつも通りだし、ラストはぶつ切りだし、服部小平次が主役の「舞台うらの男」なんかはただのコピペだったけど、まぁ許せるレベルではあった。
昭和30年代半ば~40年代半ばにかけての短編は比較的読めるものが多い気がする。この頃の池波は多少なりともちゃんと書こうとしてたのかもなぁ。下手な鉄砲を数撃った結果という可能性も否定できないが。
- 浅田次郎
- 光文社文庫
- 借り物
これでシリーズ完結。
んで。笑った笑った。軍曹が凶悪。「チェスト!軍曹」は全編通して一番笑えた。涙で本が見えなくなるくらい笑った。残念ながらオチは恐ろしく手抜きだったが。
バカなだけで内容なんて全くなかったけど、全3巻と言わずもっと読みたい気がした。
- 浅田次郎
- 光文社文庫
- 借り物
バカ小説の2巻を読み終わり。
んで。巻末の解説があまりに強烈だったせいで中身なんて忘れちゃった。朝山実とかいうヘボライターが、第2巻の解説だというのに3巻から引用して先の展開を得意げにネタバラし。物凄い勢いで読者の楽しみを奪っていった。そりゃ三流小説の解説に三流ライターを起用するのは当たり前の話だよ。でもここまでひどい解説は初めてだ。
ま、それが光文社クオリティと言えばそれまでだが。
- 浅田次郎
- 光文社文庫
- 借り物
弟から借りた『きんぴか』シリーズを読んでみた。
んで。これは前に読んだ記憶があるはずなんだけどほとんど憶えてなかった。元が光文社のノベルスだから軽い。浅田だからますます軽い。中身はほとんどない。2時間くらいで読み終わった。笑える娯楽小説だから疲れなくていい。
最強キャラは軍曹で決まり。全てがバカすぎで腹が痛い。自衛隊の描写がそれっぽいのはさすが元自。ピスケンも愛嬌があってよかった。でも一番好きなエピソードはヒデさんの「パパはデビル」かも。なんというか、萌え?
- 筒井康隆
- 岩波現代文庫
- 新本
かつてのベストセラーを後ればせながら読んでみた。文庫にならなきゃ読まないから全て後ればせだ。
んで。大学教授をとことん茶化して抱腹絶倒。でもただのバカ小説かと思ってるとそんなこともなく、唯野先生の文芸批評論の講義は本物の授業みたいだった。記号論とか構造主義なんて言われても理解不能だが。
でも文学論などに興味のない俺が読んで楽しめたので、話題になっただけのことはあると思う。唯野先生の授業なら受けてみたいかも。
- 吉村昭
- 新潮文庫
- 貰い物
母親がどっからか貰ってきた文庫。捨てるというので読んだ。
んで。読んダラ初登場の吉村昭。少年時分、海で遭難してアメリカ船に助けられ、向こうで教育受けたり働いたり大統領と会ったりした後、幕末の日本に帰国して通訳になった彦蔵のドラマチックな物語。彦蔵が出会ったアメリカ人がいい人ばかりで、別れの場面では思わず涙。あと40才の時18のお嫁さんもらってたので羨ましかった。ただ吉村昭だけに終始淡々としすぎな嫌いがあった。もうちょっと盛り上がってよさそうな話だったけどなぁ。
ちなみに彦蔵が実在の人物だということをあとがきで初めて知った。フィクションだと思って読んでたよ。
- 白夜書房
- 隔月誌
バレンタインデーってなんデスカ?
んで。いつもの通り「プロジェクト×」は面白かった。お題はPC-9800。エプソンの98互換機がリバースエンジニアリングの産物だったと初めて知った。動かないソフトもあったのか。昔PC-286VGを持っていたけど全然知らなかった。
「プロジェクト×」以外はほとんど読むとこがなかった。さすがに連載1コのためだけに1600円払うのは厳しい。というわけで、創刊号から欠かさず購読してきたけど今回で終了の決心がついた。どうか「プロジェクト×」が単行本化されますように。
- 小関智弘
- 岩波新書
- 古本
物書き旋盤工 小関智弘の岩波新書。幸運なことにブコフで発見。
んで。岩波アレルギーに耐えつつ読み始めてみたら面白かった。研削、深絞り、瓦、空師などの職人さんへのインタビューを軸に興味深いエッセンスを抽出。自ら町工場の職人だけあって着眼点が的確で、まさに読みたかった職人話だった。岩波新書初のストレスゼロ。
一番興味を惹かれたのは空師。庭師の上級ジョブみたいな仕事で、大木を相手に登ったり切ったり。東京に1軒しかないというからますます格好いい。
- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
左肩から側頭部にかけて激痛が。起きてるのがツラかったのでうつらうつらと池波処分シリーズ。
んで。今回のは短編集。股旅連作3本と真田外伝4本。そんなに面白くはないが、なんとなく読めた話もあった。股旅物はあまり印象に残ってないんだけど、腹が立った記憶がないので読めたのだと思う。真田外伝は散漫で意味不明。短編なのに主人公もテーマもあやふやで、結局なにもまとまらないまま漠然と終わった。とても池波らしい。
- 亀谷了
- 講談社+α文庫
- 古本
目黒寄生虫館の館長 亀谷了の本。ググったらもう死んでた。
んで。1965年発行の『寄生虫紳士録』に加筆修正したものらしく全体的に古臭い。各話題も掘り下げ不足で、寄生虫による影響についてはほとんど触れられていなかった。写真もない。文章の巧さやユーモアのセンスも含めて藤田紘一郎のほうが数段上という印象。
かろうじて人間以外の動物につく寄生虫が出てきたのは評価できるかも。学生時代、ブルーギルの鰭についた虫を顕微鏡スケッチさせられた想い出が甦った。
- 大石英司
- C★NOVELS
- 貰い物
年末大掃除の発掘本はこの上下巻でラスト。
んで。大石英司の第二次シリーズ、今回は湾岸戦争。イラク軍侵攻に対して日韓英仏独あたりを主力にした国連軍が出動。アメリカは静観。上巻では急遽購入したストライクイーグルを駆る空自TAC部隊が陸の主力を待ちながら頑張ってた。日の丸ストライクイーグル萌え。でもノベルスだけに細部はいい加減。主役の空自イーグルドライバーがなぜか空曹長。幹部任官を拒んだら即エリミネートじゃなかろうか。その他、国内のテロで1万人も死んだり陸自部隊を積んだ民間機が最前線に強行着陸したりと滅茶苦茶だ。
下巻はどうなるんだっけなぁ。
- ニュートンプレス
- 月刊誌
レベルが高かった号の翌月は期待できない。それが『ニュートン』の運命。
んで。特集「太陽系グランプリ」は惑星のデータを並べただけ。勉強になった点もないではないが物足りなくてつまらない。やはり面白い特集が2ヶ月続くことはないのだ。
でも特集以外に救われた。「ミニ地球が誕生する」は六ヶ所村の閉鎖型生態系実験施設。うやむやになった感のあるバイオスフィア2を越える成果を期待。「心の姿を脳に探す」はfMRIを使った脳の機能解析。心がただの化学反応であることを早く証明してほしい。