- 堀和久
- 文春文庫
- 古本
母校の高校からOB会の会報が届いた。なんか共学になってた。なんたる暴挙! まだ女子の数は少ないみたいだが羨ましい嘆かわしいので寄付金など絶対に出さん。
んで。唐突に歴史物。山本勘助とか黒田勘兵衛、竹中半兵衛といった有名軍師から山中鹿之助、明智光秀、真田幸村みたいな軍師っぽくないのまで14人の戦国武将が取り上げられてて普通に面白かった。基本的に史実の探求より面白さ優先。実際に能力があったかはさておいて、みんな主人思いの優秀な武将だったという娯楽小説。イベントシーンのみの短編だからサクサク読めた。
俺ご贔屓の伊達は片倉小十郎景綱だった。安易すぎる。伊達の真の軍師は伊達成実だろう? だってトレードマークが毛虫だし。戦争大好きだし。ムカつくと家出するし。両親は叔父と姪だし。三浦友和だし。ポイント高すぎだぜ成実。
- 秋山裕一
- 岩波新書
- 古本
死ぬ気で在宅仕事に区切りをつけて無事に通勤再開。しかし週末に2回くらい死んだので仕事中ずっと眠い。とにかく眠い。別件の影響を職場に持ち込むのはよくないので以後気をつけますので今日は寝ていいですか?
んで。流れのまま酒。著者は前回読んだ坂口謹一郎の教え子らしいのだが、面白さは師匠を遥かに超えていた。余計なことを書かないのが偉い。復習すると、よい酵母を培養したのが「酒母」または「もと」。昔ながらの「生もと」と乳酸添加する「速醸もと」がある。「生もと」では寒いなか混ぜ混ぜする「もとすり(山卸)」という作業があり、水麹で山卸と同じ効果を出すのが「山廃仕込み」。すごく勉強になった。
なんだか久しぶりに日本酒を飲みたい。具体的に言うと純米じゃない大吟醸を。あさ開の手作り大吟醸が安くて美味かったので誰かくれ。
- 坂口謹一郎
- 講談社文庫
- 古本
このところ家で朝まで仕事することが多い。徹夜明けの楽しみはFoxFMの「The Matt & Jo Show」だ。もうGotcha Call面白すぎだって。Matt Tilleyスゲェなー。
んで。発酵&醸造の世界的権威だったらしい東大名誉教授の酒エッセイ。味の流行や合成酒への期待感に時代を感じた。酒飲みのくせに酒のことを全然知らない俺にとって、前半の世界の酒の歴史とか醸造方法の話は勉強になった。面白くはなかったが。中盤以降は講演を文字に起こしたものとか酒に関係ある俳句短歌の話題が続く。著者は歌人でもあったと言われても興味ないし、寄せ集めにもほどがある。
日本酒にも古酒があるべきという主張には同意しかねる。日本酒に限らず酒は新しいほうが味が尖ってて旨いのだ。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 古本
忙しい。通勤仕事とは別件の在宅作業で、昨日からずっとPerl&JavaScript三昧。19時間ぶっ続けでやって進捗30%。なのに締め切りは明日。先が見えねぇー。
んで。変わり種の動植物から話を拡げたエッセイ。古い本だけに生態に関する解釈が古めかしかったけど、筒井エッセイのわりには普通に読めた。印象的だったのは「トリフィド」の項。そこに出てきたJ・コリア作「みどりの想い」という短編小説が思いっきり「メタモルフォセス群島」に影響を与えていたのでショッキング。
筒井の最高傑作と信じている「メタモルフォセス群島」に元ネタ的なものがあったとは。やるなJ・コリア(知らない人)。
- 本川達雄
- 中公新書
- 古本
開発中のWebアプリが重いのでPostgreSQLを速くしろとの指令が下った。RDBMSは全然知らないので勉強しているふりをしているここ数日。こういう仕事は楽しい。
んで。今さら読んだ。動物の時間が体重に比例する話。時間だけじゃなくエネルギー効率や移動速度、構造なんかも体重と比例関係にあるという展開で、途中少々ダレたもののかなり面白かった。中でも微生物の鞭毛・繊毛とレイノルズ数の関係と、呼吸系・循環系と酸素の拡散に関する話がスゴかった。計算式は無視したが、生物が物理法則に縛られていることは理解したぞ。終盤は昆虫、木とサンゴ、棘皮動物それぞれの構造について。ここが一番楽しかったかも。
こんなにエキサイティングな本だと知っていれば、もっと早く読んだのに。
- 中村方子
- 中公新書
- 古本
修羅場の予感。来月初旬公開の某サイト用にスクリプトを組まなきゃいけないはずなのに、今に至るも情報が全く来ていない。本気でヤバい。死ぬかも。
んで。大学教授が研究テーマのミミズについて自由奔放につづった本。ちょっと失敗。前半は導入不十分なままミミズの学名と数字が並ぶ。そんなもんミミズ素人の俺に言われても困るよ。かと思えば後半ではいきなり路線転換して海外でのミミズ探し体験記。ニューギニアでの生活風景はちょっと興味深かったけど、ミミズに関係ない部分だしなぁ。全体に繋がりが悪くて引き込まれず。
ミミズの基礎知識を持ち合わせている人が読めば違うのかも知れんが俺には無理。この本を読んでミミズに魅力を感じたかと問われれば答えはNOだなぁ。
- 小林照幸
- 文春新書
- 古本
潰れたと思っていた御茶電から新作情報が。って商業エロゲかよ! ともあれ『飛ぶ山羊はさかさまの木の夢を見るか』はコトノハfeat.戯画から来春発売なので、みんな買ってあげてね♥
んで。流れのまま魚物。沖縄の海の危険な生物の話。オニダルマオコゼ(ちょっと死ぬ)、ハブクラゲ(たまに死ぬ)、アンボイナガイ(かなり死ぬ)が毒自慢。物理攻撃担当はダツと人食いザメ。沖縄って怖いとこなんだな。最後は危険生物の味を調べることになってハブクラゲを生食したり。攻めるねぇ。
こんな面白いネタ、沖縄の海限定じゃもったいない。ぜひ我らが埼玉県の海洋危険生物についても書いてほしい!
- 盛川宏
- 中公文庫
- 古本
A380が成田に来たね。国内に運用可能な飛行場があると思わなかったから驚いたよ。123便超えはいつ?
んで。引き続き盛川の不毛な本。コマセ釣りを批判した直後に「ボクがこの釣りをやるのは必要なときだけ」と告白したり。批判するならやっちゃダメだろ。知ったかぶりが嫌いだと言った直後にドンコを「イタチウオのこと」だと知ったかぶってみたり。ドンコってエゾイソアイナメ(タラ目)のことで、イタチウオ(アシロ目)とは全くの別種だよ? そういう無茶な決めつけが多くて心底うんざり。
今後、盛川の本を読むことはないと思う。
- 盛川宏
- 講談社文庫
- 古本
帰宅が早いと読書時間が増える。ビール飲みながらダラダラ読んでたら1冊終わった。
んで。大昔に読んだ『釣ったら食べなきゃ』かなんかが面白かった記憶があるので読んでみた。全くダメだった。とりとめなく続く釣りと魚の話は基本的に押しつけがましい。加えて文章力低め。釣った魚は必ず食べるという考えには賛同するけど、取り上げてるネタがどうにもつまらん。ここがダメあそこがダメという明確な点すら存在せず、ただただ全部つまらない。釣りと魚の本なのに釣りに行きたくもならないし魚を食べたくもならないんだから終わってる。
昔読んだイメージとずいぶん違うなぁ。
- 河井智康
- 岩波新書
- 古本
苦闘の末トラブルの再現性を解明したので、ようやく勤務が通常態勢に戻った。今日は5時間だけ働いてサクッと帰宅。ラクでいい。
んで。流れのまま水産モノ。94年刊行ということは俺が水産学を勉強してるふりをしていた頃の本ということになる。当時は水産に興味なかったから全然知らなかった。中身は日本漁業の置かれている状況とか問題点とか将来への提言とか雑感とか、要するに漁業概論。資源量の計算が荒っぽい、漁具漁法の話がない、といった問題はあったけど、論旨は明快で比較的読みやすかった。試験も単位も気にしなくていい今、水産学など恐れるに足らない。
俺は全く知らなかったが、ググったら実は魚種交替論を提唱した有名な先生だった。護憲派のアカだった。息子に刺し殺されてた。さすがアカ。