- 崎山克彦
- 新潮文庫
- 古本
フィリピン実家の村で一番いい場所に土地を買って別宅を建てることにしたのが半年前。その別宅がついにほぼ完成! お金かかったけど、次回の里帰りからはまともな家で寝泊まり出来るよ!
んで。カオハガン島の話。不法居住している島民と共存して、その島民による自立自存と同時に自然環境維持を目指してるらしい。他人事だからどうでもいいけど、賛同しないし成功するとも思えない。フィリピン人の計画性のなさを舐めちゃいけない。ド田舎小島の漁民なんてなおさらで、間違いなく明日の100万ペソより今日の100ペソを選ぶよ。今は本人が生きててしっかり目を配ってるからいいだろうけど、死んだ途端に全て崩壊して終わりじゃないかな。島の正式な所有者も現地法人だろうし、明るい未来は見えないなぁ。
あ、そうそう。唯一、ビサヤ語の単語リストと簡単な用例はとてもよいものだった。
- 軍司貞則
- 講談社文庫
- 古本
学力はそこそこあったのに貧乏のせいで進学を諦めて働いている義妹を大学に通わせてやることにした。ただし学費、食費、下宿代、小遣いなど俺が全額出す代わりに、大学も学部も俺が決めるぞ。励め。
んで。今回も1980年代のマニラが舞台の一冊。タイトルは「ジャピーノ」だけど、実際にはほぼイザベルっていう元ジャパゆきさんの話だった。ジャパゆき時代に子供が出来たけど日本人の父親は認知もせずに逃げちゃったというよくあるパターンで、フィリピンにはこういう恵まれない母親&日比ハーフの子供がたくさんいるんだけど支援は全くないよ、と。うん、知ってた。でもどうにもならんし、する気もないし。
ま、アレだ。フィリピン人は不幸耐性が異常に高いから大丈夫だよ。weather weather lang。
- 久田恵
- 文春文庫
- 古本
献血の生化学検査結果が届いてた。大注目のγ-GTP、正常値68までのところ結果は……173! 余裕の上限突破! これダメじゃん! また酒量を減らさなきゃならんか……。
んで。時は1980年代、フィリピン人ジャパゆきさんと日本人男の結婚の話。第21回大宅賞受賞作。気合いの入った取材に好感が持てた。ウチの場合は現地で一本釣りしてきたからジャパゆきさんとはかなり状況が違うけど、同じくフィリピーナを愛した男として身につまされるところも数多く……。とは言え、この本に出てくる日本人男はいいようにカモられ過ぎ。フィリピン人には毅然とした態度で臨まなきゃダメよ。こっちは日本人様だぞ。
大宅賞のリストを確認したら、第21回はこの本と『レーザー・メス 神の指先』、『収容所から来た遺書』が同時受賞だったのね。最高の当たり年じゃん。
- 佐木隆三
- 文春文庫
- 古本
美味しくない酒だと飲む量が減ることに気がついた! 到来物のちょっと高めの焼酎がお口に合わなかった結果、大発見をしてしまったかも知れん。でもこれじゃ晩酌がつまんないから早く空けてやろ。
んで。明治~戦後にかけて八幡製鉄所の高炉を支えた田中熊吉の生涯を史実フィクション取り混ぜて描いた話。下請けの鍛冶職人から始まって常雇いの職工になり、その後もドイツ留学したり溶鉱炉を守ったりで、最終的には定年ナシの終身職工という宿老にまでなってた。東田第一高炉の火入れと同時に採用されて、炉が操業を終えた年に亡くなってるあたりもドラマみたいで、これはまさに高炉の神様ですわ。
あくまで現場にこだわって仕事に生きる男の姿って格好いいね! 俺はもっと生ぬるい人生を送りたいけど。
- 春日真人
- 新潮文庫
- 古本
今日は思いのほか仕事が早く終わったからブコフに寄ろうと思ったら想定外の改装中で閉まってて時間が余ったから思わず人生初の献血をしてみた。初献血記念日ってことで今日は酒を飲むぞ飲むぞ飲むぞ。
んで。ポアンカレ予想を解いた数学者がフィールズ賞を辞退してどっか逃げた、という2007年にやったNHKスペシャルの書籍版。このNスペは面白かった記憶があったから読んでみた。「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S^3に同相である」みたいな怪談ではなく、ひたすらにペレリマン博士を追いかける話だったのでけっこう楽しかった。結局会うことが出来なかったのが残念。
ちょこちょこ出てくる数学関連の英単語のせいで、数学なんかより英語やらなきゃと思った。
- 醍醐麻沙夫
- 集英社新書
- 古本
昨日は久々に禁酒の日だったから気を紛らわすためアニマックスでガンダムUC一挙放送を全部観たせいで寝不足気味。その反動で今日は浴びるほど飲んでるわけだけど、我ながら有意義な日々を送っていると自負。
んで。アマゾン川流域の町や森を巡りながら現地の食事について紹介した話。海外のローカル食は大好きだから興味深かったし内容もアッサリだったので軽く読めたけど、文字だけで食べ物を語るには無理がある文章力だったのが残念。食べ物の話なのにシズル感皆無で、せっかく現地まで行って現地の料理を取り上げてるのに美味しさが全然伝わってこなかったよ。せめて写真なり挿絵があればなぁ。
実は文章の通りでそんなに美味しくない、という疑惑もあるにはある。
- 森下郁子
- NHKブックス カラー版
- 貰い物
突然、仕事先の相手に裏切られた。裏切りは絶対に許さない。俺を裏切ったことを後悔させてやらなければ気が済まない。さて、どんな仕返しをしてやろう。とか考えてたら急に生きてることが楽しくなってきた。そうか、俺に必要なのは敵だったんだ。
んで。アマゾン川の生態系と周辺住民の暮らしに関するフィールドワークなエッセイ。一応こっちも水産学を学んだ人間だから興味があって読んだわけだけど、川それ自体とそれを利用して暮らしてる人々の両方を同時に書こうとしてるからなのか焦点が散漫な感じで薄い。文章が上手ければどうにかなった気がしないでもないけど、いちいち感傷的な書き方で受け付けず。そういうの求めてないんだ。
もっとお魚に関する生物学的な内容を期待してたんだけど、貰い物だしこんなもんかもな。
- 高野秀行
- 集英社文庫
- 古本
昨日は身体のことを考えたりなんかした結果ほんの少ししか飲まなかったから、今日こそは思いっきり気が済むまで飲もうと思う。
んで。タイトルを見て一方的に釣りの話だと思い込んで読んだんだけど大失敗。なんだよウモッカってUMAかよガッカリだよ。それでも竿出すなりしてくれればまだマシだったんだけど、なんか国内での情報収集(とも言えないレベルのダベり)ばっかりで、こんなに時間を無駄にしたのは久しぶりって感じ。そういうくだらない下りを経てようやく半分くらい来たところでいよいよ出発したんだけど無計画な著者は現地に辿り着けもせず、そのままエンド。コイツ一体なにをしたかったの? バカにしてるの?
こんな低レベルなもんを出す出版社は潰れたほうがいいと思う。な、集英社?
- 福井晴敏
- 講談社文庫
- 手持ち
所沢史上初の住民投票記念。入間の機体なんてC-1、T-4、U-4、YS-11くらいなもんだから騒音とか言われても賛同しかねる。小中学校にエアコン設置するなら、もっとまともな根拠を出してこいよ。いつもながら公務員の頭の悪さには反吐が出る。
んで。如月行と仙石曹長の現実離れした大活躍で無事に解決して大団円を迎えた。好き。本来は重要なはずの自衛隊の組織とか兵器に関する考証やら戦闘描写は噴飯ものの滅茶苦茶さなんだけど、そんなのどうでもよくなるほどの勢いで面白かった。面白すぎた。超好き。なんかもう冒険小説に求めているもの全てがここにあった感じ。マジで好き。好きすぎて好きすぎて震える。
それにしても読み終わってしまって喪失感がスゴい。亡ロス。
- 福井晴敏
- 講談社文庫
- 手持ち
COLTSのグリーンティ味というシャグを初めて買ってみた。フレーバーは爽やか、刻みも細かくて好みのタイプなんだけど、唯一の問題はとにかく煙管がすぐ詰まること。どうにかならないかな。
んで。10年以上前に読んだことあるけど読んダラ以前だったから改めて読んでみた「亡国のイージス」。初めて読んだ時も面白いと思ったけど、改めて読んでもやっぱり面白い。登場キャラが杉山隆男「兵士に聞け」で取り上げられた海上自衛官そのままだったり、その他もう少し自分なりに料理しろよと感じる点は多かったけど、地下鉄で読んでて思わず乗り過ごしちゃう程度には面白い。つまりかなり面白い。一刻も早く下巻を読みたい。
舞台となってる護衛艦「いそかぜ」は架空だけど、実在の同型艦「しまかぜ」は同期が乗ってた時にけっこう奥のほうまで見学させてもらったことがあって、おかげで文章だとよくわかんない機関室立て籠もりシーンがちゃんとイメージできて楽しめたよ。